【265】
自分自身を葬るように、失踪した雨宮ありさにとって、この歌は心に凍みたのではないだろうか。
転々とする夜の世界。汚れていく雨宮ありさを支えたのも、この歌だったのではないか。
恋人よそばにいて
こごえる私のそばにいてよ
ありさは恒川を思いつづけた。
その恒川は真祐美が会った中年男ではなく、若くて輝いていた恒川であった。
恒川はありさの失踪によって、それまでの恒川ではなくなった。
再会した雨宮ありさは、変わり果てた恒川に、自分とおなじく人生を失なった男の姿をみた。
自分を捨てた男と女。
ふたりは復讐を誓い合った。
食い物にされた善人にとって、それは悲願だったが、力のない善人か復讐を果たすのには、身を捨てるしかなかった。
真祐美は空をみあげた。
ダークブルーに冴えわたる夜空に、月が煌々と輝いている。
いまの真祐美には、その月が雨宮ありさのように感じられる。
【译文】
就像埋葬了自己一样,对于失踪了的雨宫有纱来说,这首歌是不是让人心寒呢?
辗转的夜晚世界。是不是这首歌支撑着被玷污了的雨宫有纱呢?
恋人哦在我身边
在冻僵的我的身边
有纱一直思念着恒川。
那个恒川不是真祐美遇到的中年男人,而是年轻朝气的恒川。
恒川因为有纱的失踪,已经不是之前的恒川了。
再次遇见的雨宫有纱,在完全改变了的恒川身上,看到了一个与自己一样失去人生的男人。
这一对弄丢了自我的男女。
作为被当作牺牲品的好人来说,那是悲壮的誓愿,没有实力的好人为了复仇,只能抛弃自我。
真祐美抬头看着天空。
深灰无云的夜空中,月光皎洁。
现在的真祐美感觉那轮月亮就像雨宫有纱。
请老师看一下。
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本帖子最后于 2023/8/27 10:31:17 编辑 ]
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