【汤河原】【29】
男は、名刺大の写真を取り出した。
「料理は一人前一万円としますと、三十人で三十万円。それに鷺の間の使用料、ビール、ウイスキー、手土産などの費用として、百五十万円、それから、招待状の印刷、発送などを入れますと、二百四十万円になります」
「安いな」
と、男はいい、内ポケットから、部厚い札束を取り出した。
担当の女性は、事務的に札を数えてから、
「領収証の宛名は小早川様でよろしいんですか?」
「それでいい。間に合うように頼むよ」
男は、領収証を受け取ると、ホテルのロビーを出て行った。
海岸通りを渡り駐車場にとめておいたレンタカーに乗り込んだ。
シルバーメタリックのニッサンシーマである。
運転席に腰を下したが、すぐには車を出さず、煙草に火をつけた。
2
しばらくしてから、男は、煙草をくわえた恰好で、車をスタートさせた。
来宮駅の前を通り抜け、熱海梅林の横の登り道をあがって行った。
大きなS字カーブを走る。左手の山合いに点々と別荘が見えてくる。
伊豆箱根鉄道がやっている西熱海別荘地である。
男は、更に、アクセルを踏みつけて、熱海峠に向って、車を走らせていった。
時々、車がすれ違う。けたたましい爆音を立てて、バイクのグループが、追い抜いていく。
【译文】
男人拿出名片大小的照片。
“一人份菜品是一万日元,三十人就是三十万日元。加上白鹭包间的使用费、啤酒、威士忌、拌手礼等的费用是一百五十万日元,再加上,请帖的印制、配送等服务的话,一共是二百四十万日元。”
“真便宜呀。”
男人说着从内兜取出一沓厚厚的纸币。
负责业务的女人事务性地数了纸币之后说道:“收据的接收人写小早川先生可以吗?”
“那样就可以。拜托请帖及时送达。”
男人拿了收据走出了宾馆大厅。
穿过海岸大道坐进停在停车场的租借来的汽车里面。
是一辆金属银白色的日产西玛。
虽然坐在驾驶室,并没有马上开车,而是点燃了一支香烟。
2
过了一会儿,男人叼着烟,启动了汽车。
经过来宫车车站前面,车子开上了热海梅林旁边的上行车道。
车子沿着一个大大的S型路线行驶着。左边的山间可以看到零零散散的别墅。
这是伊豆箱根铁道经营的西热海别墅区。
男人继续踩下了油门,将车朝热海岭开去。
不时地,有车子呼啸而过。一群摩托车发出吵杂的声音,超越了男人驾驶的车子。
请老师看一下。
低头做事