浅見がホテルに入ったのは、かれこれ6時近かったが、まだ陽は高く、街は少し蒸し暑いほどであった。
フロントでチェックインをしているところに、折よく木元と田原、それに案内役の大原の3人の部長刑事が揃ってやってきた。
チェックインがすむと、四人はひとまずロビー脇の喫茶ルームに入った。
「高松では、ビジネスホテルがどんどん建ちます。これなんかも、ごく最近建ったばかりで、なかなか設備が良いと評判です」
大原は一くさり、地元のPRをする。
「そうですね、まあまあっていうところでしょうかね」
田原が、ホテルの造作を眺め回してから、もったいぶって言った。
「しかし、東京のシティーホテルに比べると月とスッポンかな。我々安月給にはふさわしいって言えばふさわしいですか」
大原は(何が言いたいのだ――)というように、仏頂面をしている。
全員がコーヒーを頼んだ。またぞろ田原がコーヒーについて何か言いだしそうだったので、浅見は先手を打って「じつは」と切り出した。
弓岡が栗林公園動物園に現れ、電話帳を借りて、しかもページを破り取ったらしい――という、浅見が仕入れてきた「情報」は、刑事たちを驚かせた。
ことに大原部長刑事は「さすがに浅見さんですなあ」と、手放しの褒めようだ。
若い田原が一人だけ、あまり愉快ではなさそうに、ボヤキを言った。
「浅見さん、そういうアテがあるのなら、我々にも言ってくれればいいじゃないですか。そうすりゃ、もっとしっかりした調べができたかもしれない」
暗に、「スタンドプレーはやめてもらいたい」と言っているつもりなのだ。
サルの脱走事件なんかにかかずらっていてもしようがないといったことなど、テンから忘れている。
何はともあれ、浅見のもたらした情報そのものは、捜査を大きく前進させる手掛かりであることに変わりはなかった。
電話帳の「しあ」から「すず」までの二ページには、約150の電話番号が掲載されている。一人の人物、または企業名で二つ以上の番号を使用しているケースがいくつかあるので、実際の加入者数はかなりそれよりは少しなめになる。
浅见回到宾馆的时候差不多是六点左右,太阳还很高,街上还有些闷热。
浅见在前台登记的时候,刚好碰见木元、田原,还有作为向导的大元三名刑警一齐走了过来。
登记完了之后,四人打算先在大厅旁边的茶店里小酌一杯。
“高松的商业宾馆真是建了一栋又一栋啊。这栋宾馆也是才建成不久的,因为设备很新所以很受欢迎。”
大原自顾自地介绍起了当地的情况。
“也就那么回事儿吧。”
田原环顾了一圈宾馆的环境,装模作样地说道,
“但是,跟东京的大酒店比起来可真是一个天上一个地下啊。不过我们这些穷打工的,也就适合住这种档次的宾馆吧。”
大原一副(你到底想说什么啊)的表情,不悦地耷拉着脸。
大家都低头喝咖啡来掩饰尴尬。眼看着田原又要对咖啡发表什么高论了,浅见抢先说道:“其实……”
弓冈曾经在栗林公园的动物园里现身,借用了电话簿,而且把某一页给撕了下来——浅见搜集到的“情报”,让刑警们都很惊讶。
唯独刑警大原不吝赞叹之词:“真不愧是浅见先生啊。”
只有年轻刑警田原似乎不太高兴,嘟囔道:
“浅见先生,你既然有想法为什么不告诉我们呢?你要是告诉了我们,我们还说不定还能更仔细地调查调查。”
其实他心里是在想“拜托别再哗众取宠了”。
他似乎已经全然忘记自己说过“哪怕猴子逃走这件事真和案件有牵连,也查不出什么东西”这种话了。
不管怎样,事实不会改变——浅见搜集到的线索还是让案件调查前进了一大步。
电话簿里从“shi a”到“su zu”的一页两面,刊登着约150个电话号码。因为有些是一个个人或者是企业对应两个以上的号码,所以实际的刊登人数要稍微少一点。
先生の教えをお願い致します。
靡不有初,鲜克有终……