浅見は言った。
  「あそこの次長さんはわりと愛想よく、いろいろ話してはくれたけど、まだ他に、僕たち民間人に対して話さなかったことが何かあるかもしれません。警視庁からわざわざ来たとなると、無下な応対はできないでしょうからね」
  「そうですねえ、それはいいなあ。尾道、因島あたりへは一度、行ってみたかったのですよ」
  田原もその着想は気に入ったらしい。
  「ところで、私も浅見さんとご一緒してもいいでしょうか?」
  ずっと黙っていた島田がおそるおそる訊いた。
  「ダメダメ、新聞記者さんがこれ以上、事件に首を突っ込むのは絶対に認められないよ。だいたい、富山県なんか、おたくの新聞のサービスエリア外じゃないの」
  田原はすげなく突っぱねだ。
  救いを求める目をこっちに向けた島田に、浅見は素早く片目をつぶって慰めた。
  「心配しなくても、新聞に発表していい時期になったら、僕の知っていることはすべて島田さんに連絡しますよ。スクープになるような話をどっさりね」
  「そうですか、それじゃ、首を長くして待っています。浅見さんもご無事で」
  好漢島田は挙手の礼のように手を上げると、名残惜しそうにロビーを去って行った。たった二日間の付き合いだが、生涯忘れられない友人になりそうだった。
  浅见说道,
  “虽然那个副署长人特别好,也告诉了我们很多,但是有些东西可能是不能给我们这些民间老百姓说的。要是警视厅的人亲自去询问的话,应该会有更多回旋的余地吧。”
  “好啊,正好我之前就想去尾道、因岛一带调查调查。”
  ——田原似乎也很同意这个提议。
  “那个……我能和浅见先生一起去吗?”
  一直保持沉默的岛田小心翼翼地问道。
  “不行不行,您是记者,要是再搅合进案子里,那怎么也说不过去了吧。况且,富山县那边应该也不是贵社的营业区域吧?”
  田原不留余地地拒绝了他。
  岛田投来了求助的目光,浅见朝他使了个眼神以示安慰,说道:
  “不用担心,到了能公开的时候,我会把我所知道的都告诉给岛田先生您的。保证会是独家新闻哦。”
  “真的吗?那我就翘首以待了。祝浅见先生一切顺利。”
  岛田“悲壮”地做出敬礼的样子,然后就依依不舍地离开了。虽然仅仅只是两天的相处,但两人大概会成为终生难忘的友人吧。 
 末筆ながらごきげんよう。
靡不有初,鲜克有终……