【154】
真祐美は息をつめた。
その理屈であった。百枚ごとに束ねられた一万円札。五億円だと札束が五百あった。五百の札束は抱えきれるものではない。
苫米地はトランクを持ってしのび込んだ。
ということは、足助高原荘の支配人室の大金庫のなかに五億円が納まっている。それを知っていたのだ。
誰から聞いたのか。
そう考えた真祐美は足元から寒気がはいあがってくるのを覚えた。
父ではないのか。
父が苫米地と知り合いであるわけがない。仮に知り合いだとしても、何のために教えたのか。
ありえないことだが、父は公団に嫌気を抱いていたのではないか。
内部告発。
形を変えた内部告発として、苫米地に五億円を盗ませた。父ならトランクを持ってこさせることはもちろん、ダイヤル番号も知っている。
【译文】
真祐美屏住了呼吸。
就是那个道理。每一百张捆成一把一万日元的纸币。五亿日元的话就是五百把。五百把现金不可能一下抱得过来。
因此苫米地是带着手提箱潜入高原庄的。
也就是说,他是知道足助高原庄经理室里的大保险柜里藏着五亿日元的。
他是从谁那里听来的?
想到这里的真祐美感到一阵寒意从脚底钻上来。
是不是父亲?
父亲跟苫米地不可能认识。就算认识,为什么要跟他说呢?
虽说是不可能的事情,但父亲不是对公团有看法吗?
是检举。
作为改变形式的检举,故意让苫米地偷走五亿日元。如果是父亲的话当然知道让他带上手提箱过来,还有拨盘密码。
请老师看一下。
低头做事