【118】
国道の左側にはトヨタ自動車の工場がつづいていた。本社工場ではなく、元町工場というのだが、南北に千五百メートル、延々とつづく大工場であった。
すこし走ると、駐車場のある食堂がみつかった。
ファミリー・レストランであった。
車を駐車場にいれ、缶ヒースを鷲掴みした宮之原と真祐美はレストランにはいった。昼下がりのファミレスはがら空きであった。
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コーヒーをオーダーし、宮之原は缶ヒースの蓋を開けた。まだ封を切っていなかった。宮之原は蓋の裏についている爪を引きだし、蓋をかぶせてグルリと一回転させた。
蓋を開けると内蓋のアルミ箔がはらりと落ち、同時にいい香りが舞い立った。
「いい匂いですね」
真祐美は思わず口にした。
ラムケーキの匂いを甘くしたような独特の香りであった。甘いだけでなく渋さがミックスされていて、これが煙草なのかと思うおとなの香りであった。
「いいでしょう。この一瞬の至福のために、こいつを持ち歩いているようなものです」
【译文】
国道的左侧是连续建设着的丰田汽车工厂。这不是总部工厂,而是原来的镇工厂,是一个南北一千五百米,绵延不断的大工厂。
稍微开了一段距离,就发现一个有停车场的餐厅。
名叫家庭餐厅(Family-Restaurant)。
把车开进停车场,抓着罐装和平香烟的宫之原和真祐美走进了餐厅。午后的这家名叫家庭的餐厅空空荡荡。
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点了咖啡后,宫之原打开了香烟罐的盖子。封口都还没打开过。宫之原抽出盖子背面的别扣,盖在盖子旋转了一圈。
打开盖子,内盖的铝箔掉了下来,同时散发出清香。
“好香啊。”
真祐美不由得说道。
那是一种独特的香味,就像让朗姆蛋糕味道更加香甜。不仅甜,还混有涩味,是一种成年人的香味,让人怀疑这是否是香烟。
“可以吧,就是为了这一瞬间的幸福,才带着这家伙。”
请老师看一下。
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本帖子最后于 2023/2/13 6:03:42 编辑 ]
低头做事