【159】
「わたしは、そうでもないんじゃないかと思う」
「でも、五億円ですよ」
「高速道路公団クラスの組織になると、五億円はそれほどの大金じゃない。たかが五億円ですよ」
「でも、それならなぜ……」
父が殺されたのかと、いいかけて声を飲んだ。
たしかに五億円は大金だし、民営化をめぐって問題になっている時期ではあったが、人が何人も殺されなければならないほどの大金かとなると疑問であった。
「それに、南条さんが名古屋に赴任していたころのエピソードも聞く必要がありますね」
宮之原はつけくわえた。
「南条さん、昭和五十四年に名古屋へ赴任されたんでしたね」
真祐美は昭和五十四年を一九七九年と胸のなかでいい聞かせた。昭和という年号に馴染みがないわけではないが、西暦紀元になおさないと何年まえかピンとこない。
「あなたはいくつでした?」
「わたしは五歳でした」
「南条さんは三十三歳だった。高速道路公団の期待を担って赴任した」
宮之原はそういい、
<風のなかの、スバル>
と、□ずさんだ。
NHKの『プロジェクトX』の主題歌であった。
【译文】
“我觉得应该不就是那样。”
“可是,那可是五亿日元。”
“如果是高速公路公团级别的组织的话,那么五亿日元就不是巨款了。充其量也就是五亿日元而已。”
“但,那为什么……”
父亲会被杀害,刚一开口又把话咽回去了。
的确,五亿日元是一笔巨款,同时也是一个因围绕私有化而变成了一个问题的特殊时期,但如果是一笔必须要杀死好几个人的巨款,那还是个疑问。
“还有,南条去名古屋就职时的轶事也有必要听一听。”
宫之原补充道。
“南条是在昭和五十四年去名古屋赴任的吧。”
真祐美在心里转换,昭和五十四年就是一九七九年。并不是对昭和的年号不熟悉,如果不换算成阴历就想不起来是几年前。
“你那时几岁来着?”
“我当时五岁。”
“南条当时已经三十三岁了。肩负着高速公路公团的期待去名古屋赴任的。”
宫之原这样说着,并小声哼唱道:
<风中的昂星团>
这是日本广播协会《工程X》节目的主题曲(《地上の星》)。
请老师看一下。
低头做事