【167】
恒川が部長と一緒にもどってきた。
部長はファイルを用意していた。
だが、そのファイルを開くまでが大変であった。名刺を交換し、空疎な挨拶がつづき、そのうえで、
「南条部長が………いえ、当時は名古屋建設局の企画課長でございましたが、赴任してまいったのは昭和五十四年の四月一日付けでございます」
やっと、ファイルを開いて、一字一句間違いないように読みあげた。
「…………」
宮之原がうなずくと、部長はつづけた。
「ご存じのことと存じますが、当時、名古屋はデザイン博覧会をまえにしまして、名古屋市全体が町の美化に真剣に取り組んでおりました。ことに名古屋港一帯の再開発が急がれておりまして、デザイン博の一環として、世界第一の長さと美しさを誇る斜張橋を建設することで、市民の期待にこたえたい、そういう要望がありまして、南条がその先頭に立って建設を推進した次第でございます」
「その橋がポートブリッジですね」
「さようでございます。ただ、南条が完工させましたのはポートブリッジーウェストでございます。まあ、ウェストを完工させることができましたので、セントラル、イーストとあとのふたつの橋も建設に着手できたことは事実でございますが……」
【译文】
恒川和部长一起回来了。
部长还准备了文件。
但是,打开那个文件之前也相当啰嗦。交换了名片,空洞的寒暄接连不断,于是终于他打开了文件,一字一句念出来道:“南条部长的话……不,当时是名古屋建设局的企划科科长,于昭和五十四年四月一日来此赴任。”
“……”
宫之原默默点头,部长继续念道:“想必您知道,当时名古屋正临近设计博览会,名古屋全市都为城市的美化而认真地努力工作。尤其是名古屋港一带的再开发迫在眉睫,作为设计博览会的一个环节,通过建设拥有世界第一长度和美丽度的斜拉桥,来回应市民的期待,基于这迫切的期望,因此南条站在最前面来推动建设。”
“那座桥就是港口大桥对吧。”
“没错。只是,南条完工的部分是港口大桥西侧。可以说,因为西侧的完工才使得中央部分、东部以及其他两座大桥能着手建设,这是一个不争的事实……”
请老师看一下。
低头做事