【246】
「何か根拠があったのですか」
「いくつかありました……」
「いちばんの根拠を話してください」
「これは世間には公表されませんでしたが、足助高原荘に泥棒がはいり、大金庫に隠されていた五億円を盗みだすという事件がありました。その大金庫ですが、むかし名古屋管理局で使っていたものです。十年以上むかし、オブジェとして足助高原荘で使うことになりましたが、管理局の帳簿には大金庫の鍵のダイヤル番号が記載されたままになっております」
恒川は涼やかな口調で答えた。
昨日、管理局で会ったときとは別人であった。
本山の喫茶店で会ったときのおどおどした恒川でもなかった。着ているものや風貌は変わりないが、態度が堂々としていた。
「それだけなら、南条部長があなただと特定するわけはないですね」
「昨日、管理局へおみえになったので、お感じになったと思いますが、公団がビール券その他で、多額の裏金をプールしているのは公然の秘密です。よほどの新入社員でもないかぎり、誰でも知っていることです。足助高原荘へ持っていった大金庫は、単なるオブジェではないご裏金の隠し場所として利用されている。これも公然の秘密として、管理局では話題になっておりました」
【译文】
“有什么根据吗?”
“有若干个……”
“请说最重要的根据。”
“那是未曾公之于众的,也就是足助高原庄发生盗窃事件,小偷偷走了藏在大保险柜里面的五亿日元。那个大保险柜以前是名古屋管理局所使用的。十多年前作为装饰品给足助高原庄使用,管理局的账簿上还记载着大保险柜的钥匙拨盘密码。”
恒川平静地回答。
此时的恒川与昨天在管理局见面时判若两人。
也不是在本山咖啡店见面时战战兢兢的恒川。穿着与面貌没有变化,但神态变得烕严庄重起来。
“如果仅仅是这样,南条部长并不会只怀疑你吧。”
“昨天您来了管理局,我想您应该感觉到了吧,公团藏匿大量啤酒券等巨额秘密资金是公开的秘密。只要不是很迟进入公司的职员,都知道这件事。往足助高原庄搬大保险柜,并不是单纯的装饰物,而是作为储藏秘密资金的隐蔽之处使用。这也是公开的秘密,在管理局也成了一个话题。”
请老师看一下。
低头做事