【汤河原】【50】
「そうです。六年前に亡くなった芸者を偲ぶ会だと、小早川は、言っていますが」
「実は、その小早川の方に用があるのです」
土屋の眼は、光った。
「どんな用があるんですか？」
「東京の誘拐事件ですが、今までに、何人かの容疑者が、浮かんできています。その中に、小早川恵太の名前もあるんです」
と、十津川は、いった。
「本当ですか？」
「今のところ、容疑者の一人というだけで、犯人の確証があるわけじゃありません」
と、十津川は、いった。
「そうですか。あいつは、誘拐事件の容疑者ですか」
土屋はかさねて、呟き、
「それなら、人殺しぐらいやりかねません ね」
「容疑者ですか？」
「何しろ 、小早川の使っていたホテルの鷺の間で、被害者は、しんでいますからね。ただ、一緒にいた女性記者が、小早川のアリバイを、証明しているんです。それで、逮捕できません。残念がなら」
「なるほど」
「しかし、小早川という男は、胡散臭い 奴なんですよ。十津川さんも、彼の前科については、ご存知でしょう？」
「四月三十日に、府中刑務所を、出所したことは、知ってます」
「殺人罪で、六年入っていたんですが、その事件は、熱海と湯河原の境で、起きたんですよ」
「そうらしいですね」
「その男が、突然帰って来たんで、みんな、戦々恐々としているんです」
【译文】
“是的。为六年前去世的艺伎举办的追思会。这是小早川这么说的。”
“其实，我们找小早川有事情。”
土屋听了两眼放光。
“是什么样的事情呢？”
“发生在东京的诱骗事件中，到目前为止，已经有若干个嫌疑人浮出水面。其中就有小早川的名字。”
十津川说道。
“真的吗？”
“现在，虽然他是其中一个嫌疑人，但仅凭这一点，也并没有找到他就是罪犯的确凿证据。”
十津川说道。
“是吗？那家伙是诱骗事件的嫌疑人啊。”
土屋重复地喃喃自语。
“这样的话，就很有可能杀人了呀。”
“你是说他是杀人事件的嫌疑人吗？”
“不管怎样，被害人是死在了小早川所租用着的宾馆的白鹭包间。不过，跟他在一起的女记者为小早川做了不在场证明。因此，无法逮捕。很可惜啊。”
“原来如此。”
“不过，小早川是个形迹可疑的人啊。十津川先对于他的前科也有所耳闻吧。”
“我知道他四月三十日，从府中监狱出来。”
“他因杀人罪名入狱六年，那起事件发生热海与汤河原交界。”
“好像是那样。”
“这个男人突然回来，我们都战战兢兢的。”

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