【汤河原】【71】
と、春山はいった。
十津川は、店内を見渡しながら、
「開店したら、客が来ると思いますか?」
と、きいた。
「うちは、この店を貸している方ですから、ぜひ、うまくいって欲しいと思っていますがね。名前が、昔と同じクラブ『あい』だと、尻込みするお客もあるかも知れませんね」
と、春山は、いった。
「小早川は、どうしても、クラブ『あい』という名前にしたいと、いったんですか?」
亀井が、きいた。
「そうです。小早川さんの意向です」
[なぜ、彼は、名前に拘わったんでしょう?]
十津川が、きいた。
「さあ、なぜですかねえ。よほど亡くなった仁科あいさんに未練があるのか——」
「そんなに、小早川は、そのママに惚れていたんですか?」
「そこは、私にもわからんのですよ。好きだったとは思いますがねえ。店の名前に拘わるのは、他にも理由があるような気がするんですよ」
と、春山は、いった。
「どんな理由ですか?」
「これは内緒にしておいて貰いたいんですが」
と、春山は、断ってから、
「ひょっとすると、嫌がらせじゃないかと思ったりしているんですよ」
「誰に対しての嫌がらせですか?」
「六年前の事件の時、小早川さんの他にも、何人か容疑者がいたんですよ。この湯河原にもですが、熱海にも店がありましたから、熱海にもです。だいたい、ママの仁科あいと親しかった人たちです。最初は、全員が容疑者だったんですが、それが、小早川さん一人に、絞られてしまったんです」
【译文】
春山说道。
十津川回顾店内四周问道:
“您觉得开业了,客人会来吗?”
“我们是出租这家店铺的一方,所以肯定希望这家店生意兴隆了。如果名字与以前相同也叫会所‘爱’的话,也许有的顾客会犹豫的”,春山说道。
“小早川有说过无论如何都要使用会所‘爱’这个名字吗?”
龟井问道。
“是的。这是小早川先生的意向。”
“他为什么拘泥于这个名字呢?”
十津川问道。
“这个嘛,到底是为什么呢?也行是对去世的仁科爱深深的依恋吧。”
“小早川对那位老板娘感情这么深吗?”
“那我就不知道了。我觉得肯定是喜欢她的。我觉察到钟情于这个名字的理由还有其他。”
春山说道。
“什么样的理由?”
“请您暂时替我保密。”
春山事先打预防针,然后说道:“我在想,这说不是故意想让人感到不爽。”
“是让谁感到不爽?”
“六年前事件发生的时候,除了小早川,还有很多人是嫌疑人。在汤河原这边有,由于热海也有店,所以热海也有若干嫌疑人。基本上是与老板娘仁科爱关系好的。一开始全部人员都是嫌疑人,但是,最后却只缩小到小早川先生一个人身上。”
请老师看一下。
低头做事