【汤河原】【88】
『七楽』の前で、二人は、自転車をおりた。
この質屋は、若宮が、子供の時からあった。その頃の七楽は、おやじさんが一人でやっている小さな店だったが、息子の代になって鉄筋コックリートの三階建のビルになっている。
若宮は、時々、退職したら、質屋をやろうかと思うことがある。
こんな不景気の時には、公務員が一番いいと思っていたのだが、今は、公務員でも、月給を下げられてしまう。となると、不景気なほど儲かる質屋の方が、いいかなと思い始めているのだ。
入口を入る。
今のはやりで、一階は、リサイクルショップになっていた。ガラスケースの中に、ブラッドものの腕時計や、ハンドバッグなどが、ずらりと並んでいて、客が、沢山入っていた。
質入れは、二階なのだが、今の若い娘は、あっけらかんとしている。
二階で、男からプレゼントされたブランド物を売り飛ばし、一階で、別のブランド物を買って行くのだ。
「ここは、景気がよくていいね」
と、若宮は、店の主人の川原に、皮肉をいった。
川原は、まだ、三十七歳だが、髪がうすくなっている。
「その代り、景気が良くなれば、うちみたいな商売は、見向きもされなくなりますよ」
と、川原は、いった。
「今日も、台帳を見せて貰いたいんだ」
「どうぞ」
と、川原は、二人の警官を奥に案内しながら、
「まだ、車上荒しは、捕まらないんですか」
「ああ。ぜんぜん、正体が、わからん」
と、若宮は、小さく肩をすくめた。
【译文】
两人在“七乐”前面从自行车上下来。
这家当铺从若宫小时候开始就存在了。那时的七乐是一家小店,由一个老人经营,到了他儿子一代,小店就变成钢筋结构的三层楼房。
若宫时常在想退休后开个当铺吧。
在这不景气的时候,公务员是最稳定的,但是现在,公务员的工资也减少了。若宫开始认为,这么说来,越不景气越赚钱的当铺真不错。
他们走进了入口。
以现在的流行布局,一楼是旧货商店。在玻璃盒中,阵列着名贵手表、手提包等,顾客络绎不绝。
典当是在二楼,不过现在的年轻姑娘已经毫不在乎了。
在二楼把男人赠送的名贵物品狠心卖掉,然后在一楼买自其他礼物。
“这里经济景气真好呀。”
若宫粉刺店主川原说道。
川原才三十七岁,但头发稀疏。
“不过,如果经济景气的话,像我们这样的生意,是不会被瞧得上的。”
川原说道。
“今天也把台帐给我们看看。”
“请便。”
川原把两位警察带到里面。
“偷车上物品的罪犯还没抓到吗?”
“是的。完全不知道他的真实身份。”
若宫微微耸了耸肩膀。
请老师看一下。
低头做事