これはホームズのとくいわざで、はじめて会った人でも、仕事は何か、どんなことをしたかを、見ぬいてしまうのです。はじめて見た品物だったら、持ち主がどんな人かをいいあてることもできます。

　これは、決して魔法ではなく、じっくりとその人を観察し、頭の中でりくつを組みたてたからこそ、わかったのです。これこそがホームズの「推理」なのです。

　女の人は感心するあまり、こわさをわすれたようで、やがてこんな話を始めました。

「わたしは、ヘレン·ストーナーといいまして、ロンドンの南東にあるいなかの村に、父親のロイロット博士と住んでいます。この人は、わたしたちのほんとうの父でなくて、母が再婚した相手なのです。」

「『わたしたち』といいますと、あなたには、きょうだいがおられるのですね。」

「はい、ジュリアというふたごの姉がいましたが、二年前に死んでしまいました。それからは、もうおそろしいことばかりなのです。」

「ストーナーというのが、ほんとうのお父さんの名字なのですね。」

　ホームズが、ききました。

「はい、ストーナー少将といって、インドで軍人をしていたのですが、わたしとジュリアが生まれてまもないころ、亡くなりました。そのあと母は、医者をしていたロイロット博士と再婚し、ロンドンに帰ってきたのです。

　　ところが、その母も八年前に鉄道じこで亡くなってしまいました。母は、たくさんのお金をのこしてくれましたので、姉とわたしは、くらしにこまるようなことは、ありませんでした。」

「そのお金は、ぎりのお父さんであるロイロット博士のものになったのですか。」

「はい、ホームズさん。ただし、わたしとジュリアが結婚したら、そこからお金を分けてもらえるやくそくでした。

　そして、ジュリアは二年前にある人と知りあって、結婚することが決まったのですが、その後まもなく、死んでしまったのです。とてもおそろしい死に方でした……。」

（つづく）

　　这是福尔摩斯的拿手好戏，即便是第一次遇到的人，也能看出对方从事何种职业、做过哪些事情。而对于第一次看到的物品，也能准确说出所有者的特征。
　　这绝不是魔法，而是通过缜密观察、在脑海中组织理论才得出的。这正是福尔摩斯的“推理”。
　　女士佩服极了，似乎忘记了害怕，不久就开始讲述下面的故事。
　　“我叫海伦·斯托纳，和父亲罗伊洛特博士一起住在伦敦东南的乡下。这个人并不是我们的亲生父亲，是我母亲的再婚对象。”
　　“你说‘我们’，你还有兄弟姐妹吗？”
　　“有的，我有一个双胞胎姐姐朱莉亚，但她在两年前死了。打那以后，发生的尽是些可怕的事情。”
　　“斯托纳是你生父的姓吗？”福尔摩斯问道。
　　“是的，我的生父斯托纳少将曾经在驻印度的军队服役，我和朱莉亚出生不久他就去世了。之后母亲和当医生的罗伊洛特博士再婚，再后来回到了伦敦。
　　不过我母亲也在八年前的铁路事故中去世了。她给我们留下了大笔遗产，所以姐姐和我不必为生计担忧。”
　　“这笔钱是到了你继父手上吗？”
　　“是的，福尔摩斯先生。不过有个约定，我和朱莉亚结婚之后，钱就要分配给我们俩。
　　两年前，朱莉亚认识了一个人、决定结婚，但没过多久她就死了。她的死状极为恐怖……”
（待续）