【汤河原】【117】
　と、いってから、本田は、痛さに眉をしかめた。鎮痛剤が切れたのかも知れない。
　看護婦が来て、血の滲んだ包帯を取りかえながら、
「金属バットで殴られたみたいですよ」
　と、いった。
　熱海署の刑事が、やって来た。
「あなたで、二人目ですよ」
　と、その刑事は、いった。
「昨夜、湯河原でも、一人、襲われたんです」
　刑事が、付け加えた。
［湯河原の北さんという人が、いるんです。観光協会の理事をしている方ですが］
［北さんなら、よく知っていますよ。私も、市議会で、観光開発の委員をやっていたので、何回か会っています。あの北さんが、どうして、誰に？」
　　本田が、驚いて、きいた。
　「犯人は、わかりませんが、昨夜、おそく、湯河原のクラブ『あい』で飲んで帰宅の途中、何者かに殴られましてね。それを、病院にも行かず、警察にも届けなかったんです。今日になって娘さんが、警察に届けたんですよ」　　
　「なぜ、北さんは、クラブ『あい』なんかに行ったんだろう？」
　「わかりませんが、あなたも、熱海の同じクラブに行かれたんでしょう？」　　　　　
　「まあ、そうですがね」
　「病院に聞いたんですが、本田さんは、殴られただけで、何も盗られていない。北さんも、そうなんですよ。それが、同じ犯人ではないかと、考えているんですが、思い当たることはありませんか？」
刑事にきかれて、本田は、あわてて、大きく首を横に振った。
【译文】
说完，本田痛得皱起了眉头。也是因为镇痛剂用完了。
护士来了，她一边更换渗了鲜血的绷带一边说道：“看样子是被金属棒球棍打的。”
热海署的刑警来了。
“加上您，就是第二个受害者了”，那个刑警说道。
“昨晚，在汤河原也有一个人遭遇了袭击”，刑警补充说道。
“汤河原有一个叫北的人。他是观光协会的理事。”
“如果是北先生，我是认识的。我以前也在市议会做过观光开发的委员，所以我跟他见面过多次。那个北先生，被人打了，是被谁打的？”
“本田吃惊地问道。
“不知道犯人是谁，昨晚在汤河原的会所‘爱’喝到很晚，在回家途中被人给打了。仅管如此，也不去医院，也不报警。到了今天，是她女儿报警的。”
“北先生为什么去会所‘爱’这些地方呢？”
“不清楚，您不是去了热海的同一个会所吗？”
“嗯，说的没错。”
“我们问了医院，本田先生只是被人打了，并没有物品失窃。北先生也是如此。我们认为可能是同一个犯人。您有想到什么吗？”
听到刑警的询问，本田连忙大幅度摇头。

请老师看一下。