【汤河原】【130】
「表面的には、そうなんですがねえ。私なんかの知らない、ゴチャゴチャ したものが、あの事件にあるらしくて、金次さんは、進出計画を中止してしまうし、熱海と、湯河原の有力者たちは、事業のことも、事件のことも、全く口にしなくなってしまいましたね。一年後には、金次さんの別荘も無くなりましてね。私なんかは、しゃかり気になって 、土地探しをやり、文字通り、骨折り損のくたびれ儲け でしたよ」
と、笑った。
十津川と亀井が、礼をいって、帰りかける と、相手は、
[今の話、私がしたことは、誰にもいわないで下さい。恨まれるのは、嫌 ですから]
と、まじめな顔で、いった。
この話は、今でも禁句 なのか。
3
十津川と亀井は、店を出て、海岸に向って、坂道 をおりて行った。
二人は、海岸に造られたプロムナードを、並んで歩く。
陽が当たっていて、暖かかった。
沖の初島が、ぼんやり と、かすんで 見える。
「熱海も、変りますね」
と、亀井が、通りの反対側を見て、いった。
通りに面して、ずらりと、ホテルが、並んでいる。その中には、今、二人の泊まっているホテル・イーストもあった。
しかし、バブル崩壊のあおりを食って 、倒産したホテルもある。
それが、たちまち 、叩きこわされ 、今は、完成予想図つき のマンションの大きな看板が、かかっていた。
【译文】
“表面上是那样的。在那个事件中似乎存在一些像我这样身份的人所不知的乱七八槽的隐情,金次先生也中止了发展分店的计划,那些热海和汤河原的当权者们也对项目和事件的事情绝口不提了。一年之后,多次先生的别墅也没有了。我们这些人当时着了迷似地找土地,现在真的是竹篮打水一场空啊。”
老板说完笑了笑。
十津川和龟井表达了感谢,正要离开时,老板严肃地说道:“刚才的话,请不要说是我说的。我害怕遭人记恨。”
这话题到现在还是一个禁忌啊。
3
十津川和龟井走出店铺,朝着海岸走下坡道。
两人并肩走在海岸边的散步道上。
阳光照曜,感觉暖洋洋的。
海上的初岛朦朦胧胧能看到。
“热海也变了。”
龟井看着道路对面说道。
宾馆整齐面对着马路排列着。其中就有两人投宿的东方宾馆。
但是,受到泡沫经济崩溃的冲击,也有宾馆倒闭了。
不过,又马上被拆毁,现在挂着一张印着工程完成想像图的巨幅招牌。
请老师看一下。
低头做事