6 病院・廊下
長い廊下を歩いている、玉緒、山下、川上。
その脇や間を、サングラスやマスクで顔を隠した患者たち数人がそれぞれのペースで行きかっている。みな同じ入院着姿だ。薄桃色や薄水色のその簡素な入院着は、建物のおごそかな雰囲気に全く合っていない。
玉緒M 「ネットには自作自演なんじゃないかなんてことが書かれていて、私は少し困惑している。自分で自分に硫酸をかけるような人間がどこにいるというのだろう。世の中は本当、打たれたものに対して冷たい。弱いものほど潰すチャンスだと思う人で溢れている。」
玉緒、背筋をしゃんと伸ばした美しい歩き方。
山下と川上は居心地悪そうにそわそわと歩く。
6 医院・走廊下
玉緒、山下和川上在长长的走廊下走着。
在他们的旁边和中间,几个用墨镜和口罩遮脸的患者迈着各自的步伐来来往往。大家都穿着同样的病号服。这些淡粉色和淡青色的简朴的病号服,和建筑物庄严的气氛完全是格格不入。
玉緒M 「网上的那些可能是自导自演的人,他们为什么要把这些事写下来呢,我也有点不明白。怎么说也不会有自己往自己脸上泼硫酸的人吧。这个世界本来就是对被害者很残酷的。认为弱者就该失败的人自不消说。」
玉緒背部的肌肉直而有型,走路的仪态很优美。
山下和川上仿佛是心里不舒服似的,惴惴不安地走着。
靡不有初,鲜克有终……