次の文章は、ある小学校の先生が自分のクラスについて書いたものである。
　５年生を受け持った時の５月、T男がつぶやいた。「僕はやりたくないな。だって、どうせ僕にはいいところなんてないもん」。クラスの友達の「いいところ探し」をしようと提案した時のことだ。
　クラス替えをしたばかりで、まだ子ども同士の関係が深まっていない時期である。友達のことを知ってほしい、長所を見つける目を持ってほしい、という意図で提案した。T男のつぶやきを聞き、自身をつけさせるチャンスになるかもしれない、と考えた。
　「その人のいいところや、良さを見つけた場面などを書きましょう」と全員の名前を書いたプリントを配布した。プリントを前に、ニコニコしながら書く子、友達の顔をちらちら見て書く子、難しい顔で考え込む子など様々だ。それでも表情を見ているだけで、子どもたちが一生懸命友達の良さを見つけようとしている様子が伝わってきた。
　T男を見ると、全く書けていない。小声で伝えた。「T男くんの良いところを書いてくれている人がたくさんいるよ」「うそだー」「うそじゃないよ。習字がうまいとか、係の仕事をちゃんとやっているとか」。聞いてまんざらでもないといった表情である。続きを翌週までに仕上げておくことにした。T男全員分の長所の記入ができた。
　提出されたものをまとめ、冊子にして配布した。自分の長所について書かれたものを読んでいる子どもたちは、T男を含め誰もが、照れくさいけどうれしい、といった表情だった。

　　以下是一位小学老师撰写的关于自己班级的文章。
　　五月份，我负责五年级学生的时候，男生T同学抱怨道：“我不想写。反正我没有什么优点。”这是我提议学生们“寻找班里朋友的优点”时候的事情。
　　当时刚刚重新分班（查了一下，日本小学每两年会重新分班），同学们之间的还处于关系不很深的阶段。想要同学们去了解朋友的情况、去发现朋友的长处，基于这样的意图，我提出了这个提议。听到T同学的抱怨，我想也许这将成为发现自己的机会。
　　我把印着“来写一下你发现他优点时候的场景吧”以及班上所有人名字的问卷发了下去。在问卷面前，有的学生一边咯咯笑一边写着，有的不时看看朋友的脸然后写起来，有的一脸为难陷入沉思，各种都有。虽然看到了各种表情，但同学们都表现出了努力找出朋友的优点的神态。
　　我一看T同学，根本写不出来。我小声说，“很多同学都在写T同学的优点呢”。“真的吗……”“真的哟。比如字练得很好，负责的任务做得很好。”他听我说着，露出不那么抵触的表情。在第二周之前完成了。T同学把所有同学的优点都写下来了。
　　我把学生们交上来的内容做了整理，做成小册子发了下去。学生们读着别人写的自己的长处，包括T同学在内，不管谁的表情都是害羞又开心。