【汤河原】【153】
と、小早川は、いった。
「二上土地」の本社は、小さなビルの中にあった。
意外に小さなビルで、事務員は三人だけしかいない。
奥の社長室で、社長の二上専太郎と会った。
「いろいろやってるね」
と、二上は、小早川に向っていった。
六十歳くらいだろう。陽焼けした顔は、若々しく見えた。
「まあね」
と、小早川は、いった。
亜矢が、名刺を渡すと二上は、苦笑して、
「あんたが、あの記事を書いたのか。ああ、力メラは、止めてくれ」
「今日は、ただ、小早川さんと、どんな話をなさるのか、それを伺いに来ただけですから」
と、亜矢は、いった。
[私の方には、何も話す気はありませんよ]
と、二上は、いった。が、女事務員に向って、
「皆さんにコーヒーをいれて差し上げて」
「どうです?儲かってますか?」
小早川が、からかい気味に、きいた。
「湯河原も不景気でね。特に、土地の売買が動かないで弱っている」
「温泉の方は、どう?」
「旅館の倒産は、湯河原は少いんだが、不景気で、東京の会社の寮なんかが、どんどん閉めていくんでね。その分、温泉の権利が売れなくなっている」
「六年前も、そんなことをいっていたんじゃないかな?」
「ああ。あの頃から、厳しくなったんだ」
二上は、正直に、肯いた。
「青山荘の温泉も、おたくが、配っているんじゃないの?」
【译文】
小早川说道。
二上土地的总公司在一栋小楼里面。
在这栋小地让人意外的楼房里,公司事务员只有三个人。
他们在里面的社长室见到了社长二上专太郎。
“费了很多精力吧。”
二上对小早川说道。
他大约六十岁左右。红光满面地看起来比较年轻。
“还行吧。”
小早川说道。
亚矢递过了名片,二上苦笑道:“是你写的那篇报道的吗?啊,请别拍照。”
“今天我来的目的只是想听听您与小早川先生讲哪些事情。”
亚矢说道。
“我没什么想要说的。”
二上说道。不过,对女事务员说道:“给几位倒杯咖啡来。”
“怎么样?发财了吗?”
小早川略带揶揄地问道。
“汤河原也萧条啊。特别是土地买卖也停滞不前。”
“温泉方面怎么样?”
“汤河原的旅馆很少有倒闭,不过因为经济不景气,东京公司的宿舍渐渐变少了。相应的,温泉的产权也卖不动了。”
“六年前您也不是这样说的吗?”
“是的。从那时开始形势就变得严峻了。”
二上坦率地首肯道。
“青山庄的温泉也是您公司部署的吧。”
请老师看一下。
低头做事