【汤河原】【162】
第九章 初 島
1
小早川は、初島行の船に乗っていた。
熱海から、沖の初島まで、船で二十分と近い。
島には、大きな近代的なホテルがある。
風は冷たかったが、小早川は、甲板に出た。
彼の傍に、二十五、六歳の若い男が、手すりにもたれていた。
「お前は、これから行く初島のホテルで、四、五日、のんびりしていてくれ」
と、小早川は、その男にいった。
「どうしてだ?おれは、兄貴のために、働きたいんだ」
と、男は、いった。
「もう、十分やってくれたよ」
「もっと、もっと、やりたいんだよ。それとも、おれは何かヘマ をやったのか?」
「ヘマか?」
と、小早川は、笑って、
「お前は、この間の夜、湯河原で、北という男と、本田という男を殴ったろう」
「ああ。六年前、兄貴を刑務所へ送ったのは、熱海と湯河原のお偉方 たちなんだろう。だから、暗いところで、殴りつけて 、脅してやったんだ。ボロを出す と思ったからさ」
「悪くない」
と、小早川は、男の肩を叩いた。
【译文】
第九章 初岛
1
小早川坐上了开往初岛的轮船。
从热海出发到达冲之初岛,坐船将近二十分钟。
外面吹着寒风,小早川却来到了甲板。
他的旁边有一个二十五、六岁的年轻男子靠在扶手上。
“你从现在开始在初岛的宾馆舒舒服服地待上四、五天吧。”
小早川对男子说道。
“为什么呢?我是为大哥您做事的。”
男子说道。
“你已经做得很好了。”
“我还想做更多事情。还是说我做了什么傻事?”
“做了傻事?”
小早川笑着说道。
“你在前段时间的夜里在汤河原把名叫北和本田的两个男人打了吧。”
“是的。六年前,把大哥送进监狱的就是热海和汤河原的达官贵人他们吧。所以我在暗处把他们痛打了一顿,还警告了他们。因为我觉得会露出破绽。”
“很好。”
小早川拍了拍男人肩膀说道。
请老师看一下。
低头做事