38 病院 中庭
玉緒と木村、花壇に座っている。
木村、水筒から注いだお茶を玉緒に差し出す。玉緒。手で断る。木村、押し付けるようにさらに差し出す。仕方なく受け取る玉緒。
木村:あなた、向日葵さんとお知り合いよね。
玉緒:いえ、ただの患者と患者で。
木村:彼女にお願いして欲しいの。移植にわたしの眼球を使って欲しいって。
玉緒、木村を見る。
木村:うちの息子--樹生がね、あの子に自分の目を差し出すって言って聞かないんです。そんなことになったらあの子の将来どうなっちゃうの。だったらわたしの目を使えばいい。向日葵さんにそう伝えて欲しいの。
玉緒:息子さんて加(害者と言いかけ)、鉛筆のようなもので向日葵さんの目を、あれした、恋人の……?
木村:恋人だなんて。あの子はまだ子供なんです。
玉緒:そうすると、おば、おか、あの。
木村:木村です。
玉緒:木村さんの目が見えなくなるわけですけど。
木村:それは別にいい。もう見たいものなんかないから。だって、ある?あなた。見たいもの。
玉緒:……。あの。
木村、玉緒を見る。
玉緒:よく、凶器はバールのようなものだったとか言うじゃないですか。それはバールではないものなんですかね?それとも本当はバールなのに、なんとなくあやふやにしてバールへの反感や差別を増長させないようにするとか、なんかそういう人権、いやバール権的配慮によるものだったりするんでしょうか。
38 医院 院子里
玉緒和木村在花坛的台阶上坐着。
木村从水瓶里倒出来茶递给玉绪。玉緒摆了摆手。木村做出强让的样子。玉緒没办法,接了过来。
木村:你和向日葵小姐很熟吧
玉緒:没有,只是患者和患者之间的关系。
木村:我想拜托你一件事。我想把我的眼球给向日葵小姐做移植手术。
玉緒看向木村。
木村:我儿子树生啊,非说要用自己的眼球给向日葵小姐做移植,我怎么说他也不听。没了眼睛他将来可怎么办啊?所以要是能用我的眼睛就好了。我想拜托你给向日葵转达这些话。
玉緒:您儿子是加……(加害者的加)用铅笔之类的东西把向日葵小姐的眼睛弄成那样子,是恋人之间的……?
木村:什么恋人啊,他还是个孩子呢。
玉緒:那么,奶奶……阿姨……那个……
木村:叫我木村吧。
玉緒:那样您的眼睛就会看不到了。
木村:这也没什么。反正我也没有什么想看的了。这么说来,你有吗?想看的东西。
玉緒:……。那个……
木村看向玉绪。
玉緒:好像听说凶器是撬棍之类的东西吧。如果不是撬棍还会是什么呢?不过如果真是撬棍,这样就可能会不经意间增长对撬棍的反感和歧视,还是不这样的好吧,这可能也是出于对所谓人权、不、是撬棍权的考虑吧?
39 病院 中庭
一人で歩いている玉緒。
手のひらの上に一本のロケット鉛筆がある。
玉緒M:確かに「鉛筆のようなもの」だった。
玉緒、くしゅんとくしゃみをする。
顔をあげる。
庭の木々に花が咲いている。春の気配だ。
男の声:僕は子供の頃から学校になじめなかっだ。
39 医院 院子里
玉緒一个人走着。
手上拿着一根火箭式铅笔。
玉緒独白:确实是“铅笔之类的东西”。
玉緒轻轻的打了个喷嚏。
玉绪抬起头。
院子里树上的花绽放着,一片春天的景象。
男人的声音:我从小时候就不适应学校生活。
40 病院 様々な人の、様々な瞬間
廊下。杖を突き不安定に歩いている向日葵。
中庭。花に止まる蜜蜂を見つめ微笑んでいる菫。
バスルーム。鏡を見なから顔の毛を確認している芙蓉。
部屋。自分の胸をつぶしてさらしを巻いている雛菊。
手術室。ベットに寝かされ、背中の龍をレーザーで消されている茉莉花。痛みに顔をゆがませる。
そのそれぞれの表情に、男の声が重なる。
男の声:学校だけじゃなくて世界全体になじめなくって、十五歳のときに部屋にこもるようになりました。親はすぐに諦めて、僕に構わなくなりました。別に不都合はありませんでした。他者と接しなければ誰からも傷つけられることはないし、自分が軽い気持ちで発した言葉や行動に後悔することもない。一人きりは楽でした。楽であることは、とてもいいことだと思っていました。
40 医院 各种人的、各种瞬间
走廊上。向日葵拄着拐杖踉踉跄跄地走着。
院子里。菫微笑着注视着花上的蜜蜂。
浴室里。芙蓉对着镜子检查自己脸上的汗毛。
房间里。雏菊正用力地缠着束胸带。
手术室。茉莉花趴着,背上的青龙正被激光销蚀。痛苦让她的脸变得扭曲。
在各种表情的变换中,男人的声音逐渐变大。
男人的声音:不只是学校,我不适应这整个世界,所以我从15岁的时候就把自己封闭起来了。爸妈很快放弃了改变我,不再管我了。也没什么特别不方便的,不和别人接触就不会被别人伤害,也不会因为自己轻率的言行而后悔。一个人生活就会快乐。我觉得快乐这种东西是非常好的。
先生の教えをお願いいたします。
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本帖子最后于 2024/10/30 19:24:59 编辑 ]
靡不有初,鲜克有终……