69 洗面所
シェービングクリームが芙蓉の手の上に噴き出され積もる。
それを、口の周りに塗る芙蓉。
Ｔ字剃刀をそこに当てようとして、鏡に映る自分を見る。
芙蓉：……
水道でばしゃばしゃと顔を洗う。
剃刀をごみ箱に捨てる。
振り返り、閉じられている個室のドアを見る。
『VACANT』の赤い文字。
その個室の下の空いたスペースから、薬瓶が転がってくる。
芙蓉、薬瓶を拾い上げる。空っぽでふたが開いている。
芙蓉、ドアの前まで行き、ノックする。
反応はない。
何度もノックする。やはり反応はない。
芙蓉、そのドアを強く蹴る。
鍵が外れ、ゆっくりとドアが開く。
中には木蓮がいる。真っ青な顔色。
冷たいタイルの上に倒れ込む木蓮を、芙蓉、抱きとめる。
69 卫生间
芙蓉把剃须膏喷在手里。
把它抹在嘴巴周围。
芙蓉把Ｔ字剃刀贴上去，看着镜子里的自己。
芙蓉：……
芙蓉在水管前哗啦哗啦地洗干净了脸。
把剃刀扔进了垃圾箱里。
芙蓉回头看向关着的那个小隔间的门。
显示着红色的字『VACANT』（无人）。
一个药瓶从小隔间下面的门缝里滚出来。
芙蓉拾起了药瓶，盖子已经被打开了，里面空空如也。
芙蓉向小隔间的门前走去，敲了敲门。
没有反应。
又敲了几次，果然还是没有反应。
芙蓉用力地去踹那个门。
插销被踹开了，门缓缓打开。
木莲在里面，脸色惨白。
木莲无力地倒在冰冷的瓷砖上，芙蓉过去抱住了她。


70　病院　食堂
いつも通りフルーツをつまんでいる茉莉花。
黒岩が歩いている。
茉莉花、周囲を見まわし玉緒を探すが、いない。
茉莉花、食事を終えた皿をさげようとしている雛菊を呼び止め。
茉莉花：あの看護師さん、七十代らしいよ。
雛菊、黒岩を見る。黒岩は二十代に見える。
雛菊：だから何？
茉莉花：白倉先生のお母さんなんだって。
雛菊：そう。
雛菊、そっけなく通り過ぎる。
茉莉花、つまらない。
と、茉莉花の隣の椅子に、皿を持った芙蓉が座る。
茉莉花：あ、ねえあの看（護師と続けようとして）。
芙蓉：あの人を助けようと思う。
芙蓉、猛烈に食事を始める。口の中に押し込まれていく大量の肉たち。それをぽかんと眺める茉莉花。
茉莉花：あの人って？誰？
玉緒の声：誰？
70　医院　食堂
茉莉花还是和往常一样，盘子里净是水果。
黒岩走了过来。
茉莉花环视四周，没找到玉绪。
茉莉花叫住了已经吃完饭正想收盘子的雏菊。
茉莉花：那个护士，听说七十多岁了呦。
雏菊看向黑岩，黑岩看起来二十多岁的样子。
雛菊：所以呢？
茉莉花：听说是白仓医生的妈妈。
雛菊：是吗。
雏菊冷淡地走开了。
茉莉花顿觉索然无味。
这时，端着盘子的芙蓉坐在了茉莉花旁边的椅子上。
茉莉花：喂，那个护……（想说护士）。
芙蓉：我想帮助那个人。
芙蓉开始大口地往嘴里塞食物，嘴里满满的都是肉。茉莉花呆呆地望着这一幕。
茉莉花：你说哪个人？是谁？
玉緒的声音：是谁？


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