75 病院 入り口
車椅子が止まっている。
その前に立つ男がゆっくりと歩きはじめる。
受付係が男にお辞儀をする。
男も小さくお辞儀をして、振り返りもせず病院を出ていく。
ぽつんと残される車椅子。
75 医院 入口
轮椅停着。
轮椅前站着的男人开始慢慢地走。
接待员朝着男人点头致意。
男人也轻轻的点了点头,头也不回地走出了医院。
只剩下孤零零的轮椅。
76 病院 手術室
手術台に横たわっている玉緒。
手術着を着た白倉の手にメスが握られる。
玉緒の顔に、ゆっくりとメスが入れられる。
芙蓉の声:玉緒の手術の日。あいつは有名人だから医師や看護師はそれにつきっきりになるだろ。そうしたら、病院の中は手薄になるはずだ。そこを狙う。
茉莉花の声:なにするの。
芙蓉の声:踊るんだ。
音楽が、突然。
76 医院 手术室
玉緒躺在手术台上。
白仓穿着手术服,手里拿着柳叶刀。
柳叶刀慢慢地刺入玉緒的脸。
芙蓉的声音:今天是玉緒手术的日子。那小子是个名人,医生啊护士啊估计现在都跟她寸步不离,所以医院里明显人手不足了。看那里。
茉莉的声音:你要干什么?
芙蓉的声音:跳舞。
音乐突然响起。
77 病院 廊下
音楽。
楽器隊が先導する中、女たちが思い思いに踊っている。
女たちは様々な格好をしているが、みなマスクをしている。
医療用マスクだけでなく、ガスマスク、動物のマスクをかぶった人々もいる。その中に、ウサギのお面をかぶった女がいる。ウサギは踊らず、おどおどと歩いている。
紙吹雪をまき散らしながら人々はパレードする。
回り続け、体を震わせ、踊り続ける人々。それは幸福な風景にも悪夢にも見える。
玉緒M:退院したら私は、国中のピアノ教室を回ることに決めている。そしてピアノ教室を見下ろせる二階の部屋を探す。そこには両親を亡くし一人暮らすの、足が長くて腕の短い男がいるはずだ。
77 医院 走廊上
音乐。
乐队打头迎面走来,女士们自顾自地跳着舞。
女士们穿着各种各样的衣服,但都戴着口罩。
不只是医用口罩,也有人戴着防毒面罩,还有动物形状的口罩。在那之中有一个女人戴着兔子面具,她没有跳舞,而是小心翼翼地走着。
一行人在飞舞的纸片中行进。
回首转身、闪转腾挪,一行人不停地跳着舞。看起来既像是幸福的风景,又像是噩梦。
玉緒独白:出院之后,我要找遍国内的钢琴教室,然后找到可以俯视钢琴教室的二层房间。因为那里住着双亲亡故一个人生活的、腿长手短的男人。
78 ピアノ教室の前
事故現場の前。花束がいくつか置いてある。
78 钢琴教室前
事故现场前面放着几束花。
79 ピアノ教室の前(玉緒の妄想)
花束の置いてあるその前に立っている玉緒。その顔は、ピアノ教室の少女のものと同じだ。
玉緒、目の前の家の二階を見上げ、微笑む。
カーテンの閉められている部屋。
そのカーテンの隙間から外を覗いている男と目が合う。
男の目が見開かれる。
玉緒M:彼は驚くだろう。わたしの顔を見たら。彼女が戻ってきたと思うだろう。そうしてきっとわたしに近づいてくるはずだ。彼女の顔を持ったわたしに。
家から出てくる男。玉緒の前に立つ。男の顔は、バイク青年のものと同じだ。
見つめあう二人。
玉緒、にっこりと微笑む。男も微笑む。
まるで、ずっとずっと前から愛し合っていた恋人たちのようだ。
玉緒M:彼と会ってどうするのか?それは分からない。分からないけれど。ただ。
79 钢琴教室前(玉緒的幻想)
玉緒在花束前面站着,那张脸却是钢琴少女的脸。
玉緒抬头看向面前的二层房间,微笑着。
房间的窗户上拉着窗帘。
玉绪和透过窗帘缝隙向外探视的男人对上了目光。
男人睁大了双眼。
玉緒独白:看到了我的脸,他一定很惊讶吧。他一定以为是她回来了,然后肯定会朝我跑过来,朝着长着她的脸的“我”跑过来。
男人从家里跑过来,站在玉绪的面前。男人的脸和摩托少年的脸一样。
两人深情对视。
玉緒微笑了一下,男人也是。
完全就像是一对相恋很久的爱人。
玉緒独白:和他见了面然后干什么呢?这我不知道。我连这也不知道
80 病院 手術室
バイタルの音が不安定に響いている。
玉緒の手術をしている白倉の顔に焦りが浮かぶ。
ベッドの上の玉緒の体が小刻みに痙攣している。
白倉:止血用ガーゼを。それから輸血の準備。
看護師たちがばたばたと動く。
手術台の上の玉緒、起き上がる。ベッドから立ち上がる。
振り返り、ベッドの上に寝ている自分を見る。
ベッドの上の玉緒の顔は血まみれでよく分からないが、起き上がっている玉緒の顔はピアノ少女のものだ。
自分だとは思えないその血まみれの顔を、しばらく眺める玉緒。
玉緒、自分の体に痛みがまったくないことに気づく。
くるり、ピルエットしてみる。
とても美しい回転。
玉緒、微笑む。
80 医院 手术室
生命体征机器发出急促的蜂鸣声。
操刀的白倉脸上现出焦虑。
手术台上的玉绪一下一下地痉挛。
白倉:止血纱布。准备输血。
护士们匆忙不已。
手术台上的玉绪起来了,她从台上站起身。
玉绪回头看向手术台上的自己。
手术台上的玉绪脸上血肉模糊,难以分辨,站起来的玉绪却是一张钢琴少女的脸。
玉绪还没发觉台上的那张脸是自己的,从手术台移开了视线。
玉緒注意到自己完全感觉不到疼。
玉绪转动身体,试着做起了芭蕾转体。
非常美的一次旋转。
玉緒微笑着。
先生の教えをお願い致します。
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本帖子最后于 2024/11/12 16:19:05 编辑 ]
靡不有初,鲜克有终……