81 病院 廊下~中庭
玉緒、手術室から出てくる。
そこにちょうどパレード隊列がいる。
廊下で踊る人々の中を、舞台上のプリマのようにすすむ玉緒。
紙吹雪が舞い散る。
パレードは中庭へ躍り出る。
マスクの女の一人が、パレード後方にいるウサギの手を取る。ウサギ、マスクの女を見る。女がマスクを投げ捨てると、それは芙蓉だ。
芙蓉、そのままウサギの手をひっぱりパレードを離れる。
パレッドの人々は踊り続け、中庭を横切っていく。
パレードが過ぎ去ると、一人、その場に玉緒が残る。
病院の一番上の部屋の窓を見上げている玉緒。
その窓からはクマの着ぐるみがじっと見下ろしている。
玉緒とクマ、しばらく見つめあったのち。
玉緒:あなたは誰?
クマ:あなたは誰?
玉緒:わたしは、……誰?
クマ、顔を外す。
現れる人間の頭。
しかしその顔には目も鼻も口もない。のっぺらぼうだ。
81 医院 走廊上~院子里
玉緒从手术室走了出来。
行进的队列到刚好走到那里。
玉緒像是舞台上的芭蕾主跳般,进入到了走廊上跳舞的队列中。
纸片漫天飞舞。
一行人跳着跳着就到了院子里。
一个戴着口罩的女人牵起了队列后面的兔子女人的手。兔子女人看向戴口罩的女人。戴口罩的女人把口罩脱下来,原来是芙蓉。
芙蓉拉着兔子女人的手离开了队列。
一行人跳着跳着,穿过了院子。
跳舞的队列离开了,只剩下玉绪一人留在原地。
玉緒看着医院最上层的房间的窗户。
在那个窗户旁,穿熊衣服的人直直地盯着下面。
玉緒和熊衣人短暂对视后--
玉緒:你是谁?
熊衣人:你是谁?
玉緒:我是……谁?
熊衣人露出自己的脸。
那是个人类的头。
但是那张脸上没有眼睛、鼻子,也没有嘴巴,光秃秃的。
82 病院 受付の前
走ってくる芙蓉とウサギ。
芙蓉、ウサギの手を離すとドアを開け放す。
芙蓉:行きな。
ウサギは動かない。ただ芙蓉を見ている。
芙蓉:わたしはいかない。わたしはもう逃げてきたの。ここに。
ウサギ:……
芙蓉:覚えておいて。あんたを傷つけでもいいのはあんただけだよ。
芙蓉、ウサギの背中を押す。
ウサギ、はじけるように外に向かって走り出す。
82 医院 接待处前
芙蓉和兔子女人跑了过来。
芙蓉松开抓着的手打开了门。
芙蓉:去吧。
兔子女人没有动,只是看着芙蓉。
芙蓉:我不在了。我已经从这里逃走了。
兔子女人:……
芙蓉:记住,能让你心甘情愿受伤害的只有你自己。
芙蓉推了下兔子女人的后背。
兔子女人像离弦的箭似的向外面跑去。
83 病院 中庭
パレードは続いている。
踊っている菫。と、自分の足の裏に違和を覚え、止まる。
恐る恐る足をあげる。
足の下には、踏みつぶれされた蜜蜂の体がある。
83 医院 院子里
一行人还在行进。
菫跳着跳着,感觉到脚下的异样感,停了下来。
小心翼翼地抬起了脚。
脚下是被踩烂的蜜蜂的尸体。
84 病院の外 門扉の前
門扉から走り出てくるウサギのお面の女。
立ち止まる。追手はいない。ほっとする。
お面を外す。現れたのは木蓮だ。
木蓮、荒く呼吸しながら振り返る。
大きな、城のような教会のような監獄のような病院が見える。
その建物が、突然、がちがらと崩れ落ちる。
<終わり>
84 医院外 大门前
戴着兔子面具的女人从大门里跑了出来。
她停了下来,发现没有人跟着,舒了一口气。
摘下面具,里面是木蓮。
木蓮大口喘着气,回头看去。
很大的、城堡似的、教堂似的、监狱似的医院。
突然,这个建筑哗啦哗啦地倒塌了。
<终>
先生の教えをお願いいたします。
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本帖子最后于 2024/11/12 16:52:36 编辑 ]
靡不有初,鲜克有终……