府中に住んでしまった身の不幸も嘆いた。競馬場まで、自宅から歩いて十分の距離である。仲間は羨ましがるが、実情は地獄だ。まるで悪魔の手の内で暮らしているようなものである。金輪際、競馬はやめた――と誓い、どんなに逃げようとしても、風に乗って聞こえてくる実況放送を聞くと、足のほうが勝手に歩き出す。気が付くと、いつのまにか群衆と肩を並べて門を入ってゆく。
養子の身分だから、金策は苦労した。もっとも、妻は競馬そのものには反対しない。理由は、彼女の亭主は競馬の天才で、絶対に損をしないからである。
弓岡は長い年月をかけて、そういう「神話」を作り上げた。いや、実際、最初の頃は妙に的中率がよかった。ビギナーズラックというのか、はじめて買った馬券が万馬券だったことが、弓岡を悪魔の道に引きずり込んだ。その後も、そこそこの成績がつづき、弓岡自身、自分は天才ではないか――と思った。たとえ負けた日でも、帰宅すると必ず、弓岡は妻に「配当」を与えた。何千円から、ときには万の単位の配当金を手にして、妻はほくほくであった。
とはいえ、所詮は競馬で儲けるやつはいないのである。弓岡の「神話」がそう長続きするはずもなかった。プールしておいた資金も枯渇して、弓岡はしだいに店のカネに手を付けるようになった。酒屋の売り上げはかなりの部分、ドンブリ勘定で、多少の融通はつくものである。
だが、それも次第にボロが出始めた。妻とその母親が、不審に思うようになった。棚卸の際に数字が合わないと言い出した。
弓冈不禁感叹起了住在府中市的不幸——从自己家到赛马场步行只需要十分钟。别看朋友很羡慕,其实是活在地狱里,完全就是在恶魔的手里讨生活。曾经信誓旦旦要戒掉赌马,但不管怎么想逃离,一听到无孔不入的赛马直播,双腿就不听使唤走出去了。不知什么时候终于发觉,自己已经和人们簇拥着进了赛马场大门了。
本来弓冈为了养家糊口尚且需要东奔西走,但最重要的是妻子并不反对自己赌马。原因是她老公是赌马天才,是绝对不会赔钱的。
经年累月,弓冈自导自演了这出「神話」。不,其实刚开始的时候猜中率出奇的高。也许是因为新手的好运气,弓冈第一次买的马券就翻了一百番,这也把弓冈引上了歧途。在这之后,赌马的成绩也还不错,弓冈自己都觉得自己难不成是个天才。哪怕是输了钱,弓冈回家之后也一定会交给妻子一份「赢来的钱」。妻子手中拿着几千块不等的、偶尔是以万为单位的「赢来的钱」,每次都笑得很开心。
虽说如此,但是毕竟没听说过有谁能靠赌马挣来钱的。弓冈的「神話」也不能长久下去。预先存来赌马的钱已经见底了,弓冈接着就把手伸到了店里。居酒屋营业额的相当大的部分,都是靠手指头计算的,所以多少有些变通性。
但接着,这些钱也快要败光了。妻子和丈母娘都开始觉得可疑,说着钱和进货时候的账目对不上。
先生の教えをお願い致します。
靡不有初,鲜克有终……