「おや、なにも、文句を言っているわけではありませんよ。男の子はむやみに詫びるものではないの」
「はあ、すみません」
「だから、それが……ほらほら、ほっぺにご飯粒がついてますよ。そこじゃなくて……いやだわねえ、いい歳をして」
雪江は溜め息をつき、これ以上は付き合いきれないと言いたげに腰を上げ、部屋を出ていった。
その時、かすかに鐘の音が聞こえたのである。まさに陰にこもった鐘の音であった。
浅見はゾーッとした。このテの現象に弱い男だ。この世の中では、雪江未亡人についで、お化けが怖い。草木も寝る丑三つ刻になると、魑魅魍魎が蠢きだす――というのをまともに信じている。
相手が人間なら、どんなにひどい目に遭っても、せいぜい殺されるまでだが、これがお化け·幽霊のたぐいだと、何をされるか分からないところが恐ろしい。
第一、いくらドアに鍵をかけようと、お構いなしに入り込んでくるところが凄い。夜中にトイレに行って、ドアを開けるとそこに得体の知らぬ「何か」がいる――と想像しただけで、背筋がゾクゾクする。
あのドアの向こうにだって――と思ったとたん、そのドアが開いて白髪の鬼婆ならぬ雪江未亡人の顔が現れた。
“哎呀,干什么,我不是要责怪你。男子汉大丈夫,可不能随随便便道歉。”
“啊——对不起。”
“所以说啊,你看看,你嘴边还粘着饭粒呢。这样不好看——你也老大不小了。”
雪江叹了一口气,好像是两人之间再也说不下去了,起身走出了房间。
就在这时,隐隐约约传来了钟声。听起来很像是被什么东西捂着,朦胧而低沉。
浅见吓了一跳,他很害怕鬼怪乱神什么的。在这个世上,除了寡母雪江,他最怕的就是鬼。传说到了万籁俱寂的丑时三刻,魑魅魍魉便会蠢蠢欲动——浅见对此深信不疑。
如果是人类的话,不管被怎么折磨,充其量只能被其蹂躏致死。但如果那东西是鬼怪幽灵一类,不知道它们会不会对自己下手、怎么下手,这才是最可怕的。
别的暂且不提,不管门上架了几道锁,它们都能视若无物地轻松穿过,这就很可怕。半夜起床上厕所,只要一想到打开门之后,那黑暗里不知道藏了什么“东西”,后背就凉飕飕的。
刚一想到门后有东西,那门就自己打开了,出来的不是披着白发的女鬼,而是寡母雪江。
先生の教えをお願い致します。
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本帖子最后于 2024/12/9 17:27:14 编辑 ]
靡不有初,鲜克有终……