「いけませんまあ」
住職は慨嘆して、首を横に振った。
「どうも貴女は、お二人のご子息を差別しすぎる。私の耳にしぜん入ってくるほどだから、ご近所でも評判のようですな。人間の価値は学業成績や仕事内容で決まるものではありますまい。色即是空、空即是色。学歴職業ごときはこの世にある束の間の仮の姿。光彦さんの真価は、存外、貴女の手の届かねところにあるやも知れませんのに、な。まあ、とはいえ貴女がどうしても拒絶なさるのならやむを得ません」
最後に住職は手を合わせて、「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と二度唱えて引き揚げて行った。
(何を言ているのかしらね、ひとの気も知らないで。そちら様こそ、修行足りない唐変木じゃないの)
雪江は玄関先で見送りながら、住職の背中に向けて、心中、悪態をついた。兄が弟をほめるのを、疎ましく思う親がどこにいるというのだろう――。
秀才の陽一郎が、浅見家のお荷物のごとくに言われている光彦の才能を、ちゃんと認めてくれたことが、雪江はうれしくて仕方がなかった。
しかし、だからと言って、「探偵ごっこ」だけは認めるわけにはいかない。今度の場合も何も起こらなければ、これっきりでお終いのはずであった。
“还是说不通啊。”
住持叹了口气,摇了摇头。
“老夫人您对待两个儿子的差别也太大了。就我所知,邻居们对浅见的评价也很好,以至于都传到我耳朵里了。一个人的价值不取决于他的学业成绩或者工作内容。色即是空,空即是色。如学业、工作一类,不过是人生在世的须臾闪烁,皆是虚空。说不定光彦的价值就在夫人您不知道的地方呢。既然夫人执意拒绝,那也只好如此了。”
最后住持双手合十,念了两遍“南无阿弥陀佛”,就扬长而去了。
(到底在说什么啊,一点都不考虑别人的想法。这不正说明你是个修为浅薄的呆子吗?)
雪江在大门口目送住持离开,对着住持的背影,心中嗔骂了几句。——试问,哪里还有这样听到哥哥夸弟弟却心生不悦的母亲呢?
优秀的阳一郎认可了浅见家的累赘一般的光彦的才能,关于这一点,雪江也非常高兴。
但虽说如此,总不能光凭孩子们玩的“侦探抓小偷”的游戏就下定论。要是这次也什么都没发生的话,这件事也就到此为止了——
先生の教えをお願い致します。
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本帖子最后于 2024/12/21 16:03:59 编辑 ]
靡不有初,鲜克有终……