「いや、二十年も昔のことです。そうそう、先代が往生したのは、ちょうどその直後でしたか。と申しても、べつに先代の往生を、桜を折られたのに腹を立てたのが原因であったなどとは、このとおり、毛頭、考えておりませんのでな」
住職は毛のない頭をピタピタと叩いて、気持ちよさそうに言った。
「分かりました、よろしゅうございます。光彦を呼んでまいりましょう」
雪江は悔しそうに言って、立ち上がった。
浅見は徹夜明けのベッドの中で、夢のつづきを惜しんでいるところを、雪江の大声で叩き起こされた。災難と駐車違反の取り締まりは、いつやってくるか分からない。
「わたくしは大恥をかきましたよ」
聖林寺の住職の用向きを伝えるマクラに、雪江は開口一番、そういった。
それにしても、聖林寺の住職は古い話を持ち出したものではある。
犯罪の時効はあっても、人間の記憶には時効はない。「人の噂も七十五日」などというけれど、世の中には、つまらないことを、いつまでもしつこく憶えている人種がいるものである。
浅見は桜を折ったことなど、とっくに忘れていた。いわんや、卒塔婆の抜き取り事件を思い出すことなど、一ヵ月前の昼食のメニューを思い出すのより、はるかに難しい。
しかし、その過去の罪障が彼を探偵ごっこに駆り出すことになったのは、浅見にしてみれば、仏罰どころか、天恵というべきかもしれない。
“但这都是二十多年前的事情了。说来先父往生不正是在那件事发生之后吗?话虽这么说,但我完全没有想过先父的往生是因为心爱的樱花被人折断,怒火攻心所致。”
住持嗒嗒地敲着自己光秃秃的和尚头,得意地说道。
“我知道了,那好,我这就去叫光彦过来。”
雪江这样说着站了起来,像是有所悔意。
浅见在床上还没睡醒,正和周公叙旧呢,就被雪江的大声给吵醒了。浅见睡眼惺忪,还以为不知什么时候失了火,或者是违停的罚单找上门了。
“真让我丢脸呐。”
还没传达住持的来意,雪江就劈头盖脸地说道。
不过,雪江还是把住持的那个古老的故事拿出来说了说。
犯罪有时效,而人的记忆是没有时效的。俗话说“流言蜚语不久传”,但这个世上也有一些人锱铢必较,哪怕是一丁点儿小事也会一直记在心里。
浅见早就忘了自己折过别人家的樱花。更何况,要想起幼时拔出灵位来玩这样的事,比要想起一个月前某一天中午吃了什么还要难得多。
但是,如果说浅见过去造的业障导致他痴迷侦探游戏,浅见看来说不定不是报应,而是天恩。
先生の教えをお願い致します。
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本帖子最后于 2024/12/28 15:18:17 编辑 ]
靡不有初,鲜克有终……