「たまたま、餌を与えたばかしのことで、猿たちは餌場の周辺におったもんで、こっちもちょっとばかし油断しとったことは確かやけど」
戸田飼育係はトンネルのドアを半開きの状態にして、
「ここの蝶番が壊れたもんで、それを修理しとったのです。こんな具合ですな」
何も持っていない手で、ドライバーを回すような恰好をして見せた。
「ところが、奧のドアに鍵をかけるのをうっかりしとりました。というでも、ここにもドアがあるのやから、別に心配することもなかったのですけどね」
「それなのに、お猿さんはどうして逃げたのですか?」
「そやから、その人のせいですがな」
戸田はいまいましそうに言った。
「そのお客さんが現れて、声をかけたりせんかったら、何も起こらなかったし、私が始末書を書かされることもなかったのです」
「あっちのほうから、ドアの外にやって来ましたよ」
戸田が示した植え込みの向こうは、ついさっき、浅見が事務所に来るとき通った、通路である。
「それで、その人は戸田さんに何て言ったのですか?」
“偶尔在给猴子喂食的时候,因为猴子都在猴厩那边,我也就没管这边的门,这也是事实。”
饲养员戸田半开着“隧道”的门,
“之前这个铰链坏了来着,我已经把它修好了。就像这样——”
户田空着手给浅见做出了拧螺丝刀的样子。
“话说,里面的那道门,我偶尔也会插着钥匙忘了拔下来。但是因为这里还有一道门,所以我就没怎么在意。”
“既然如此,猴子怎么能逃走呢?”
“这都怨那个找我搭话的人呐。”
戸田愤懑地说道。
“要是那个游客没有突然出现找我搭话,那就什么也不会发生,我也就用不着写检讨了。”
“他就是从门外那边过来的。”
戸田指着的植被茂密的地方,正是浅见刚才朝着工作室走过来的那条路。
“然后那个人对您说了些什么呢?”
老师,我今天很闲,就把我之前落下的进度补了一点,老师什么时候批改都行。
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本帖子最后于 2025/2/15 17:57:44 编辑 ]
靡不有初,鲜克有终……