「電話帳?電話ではなくて、電話帳を貸してください――と言ったのですか?」
「そうです、後ろのほうから、大きな声で電話帳貸してくださいって言うとったようやけど、こっちはショータを追いかけなあかんので、それどころやなかったし、返事もせんかったのと違うやろかなあ」
「そこにある電話帳ですか?」
浅見は事務所のデスクの上に載っている電話帳を指差した。
「そうだと思いますよ。もっとも、その時は外におったのやし、電話帳がどこにあるかどうか、そんなことは考えもせんかったですけどね」
戸田はいまはじめて、電話帳のことを思い出したように、まじまじと電話帳を眺めている。戸田は几帳面な性格らしい。デスクの上はきちんと整頓されていた。
「しかし、あの人はほんまに電話帳を使いよったのかどうか、わかりませんよ。何しろ、私がここに戻って来たのは、それから二十分も経ってからやったし、役所やら警察やらに電話するので精一杯やったですからなあ」
「その時はすでに男の人はいなかったのですね?」
「ええ、いませんでした」
これ以上は訊くべきことがなかった。
“电话簿?不是要电话、而是说‘请借我用一下电话簿’?”
“是的,他好像是在我的身后大声喊了一句‘请借我用一下电话簿’,但当时我正要去追胜太,他问的也忒不是时候。当时我是不是连回答都没回答他啊——”
“是那里的电话簿吗?”
浅见指着办公室桌子上的电话簿说道。
“应该是吧。不过我当时在外面,也没注意电话簿究竟在哪里。”
戸田像是现在才想起桌子上的电话簿,直直地朝着电话簿看去。他貌似是个一丝不苟的人,桌面整理得井井有条。
“但是我也不知道他究竟有没有用过电话簿。毕竟我回来的时候至少已经过了二十分钟了,而且我还要忙着给官厅和警察打电话呢。”
“你回来的时候那个男人已经不在了吧?”
“嗯,已经不在了。”
问到这个地步,已经没有再问下去的价值了。
先生の教えをお願い致します。
靡不有初,鲜克有终……