【汤河原】【204】
2
熱海の古い商店街の中に、「ラ・フランセ」という喫茶店 がある。
戦後間もない昭和二十五年に、東京のサラリーマンが熱海に来て始めた店で、以来五十年以上にわたり、オーナーは、同じコーヒーを出し、同じトーストを出している。
壁には、オーナーが、こつこつ と買い集めた絵がかかっていて、客を楽しませてくれる。
フランセという店名どおり、この店でかかるレコードは、全て、シャンソン である。
「この店を見つけてから、よく来るの。落ち着くから」
と、亜矢が、いった。
「全店クラシックか。オーナーもクラシックだ」
と、小早川が笑った。
オーナーの老人は、聞こえたらしく、ニヤツと、笑っている。
「ここへ呼び出して、何か用かい?」
と、小早川が、きいた。
店内は、うす暗く、レコードは、ダミアのものうげ な声を、流している。
「昼間は、ここの窓から、初島が見えるわ」
「初島は、熱海の何処からだって見えるよ」
「でも、初島からは、初島は、見えないわ」
と、亜矢は、いった。
「何をいいたいんだ?」
小早川が、苦笑しながら、亜矢を見た。
「あなたには、あなたが見えない」
「鏡を見れば、見えるだろう」
「でも、鏡って、右と左が、逆に見えるのよ」
「そういえば、そうだが——」
「あなたは、六年前、無実の罪で、刑務所に入れられたので真犯人に対して、復讐の念に燃えている」
【译文】
2
热海的旧商业街中有一家名叫“法兰西”的咖啡厅。
在战后不久的昭和二十五年,从东京的上班族来到热海那会儿开始,这家店营业到现在已经有五十多年了,店主始终供应同样的咖啡和同样的吐司面包。墙上挂着店主不断购买收集的绘画作品供客人欣赏。
正如“法兰西”这个店名所表示的那样,这家店里播放的唱片全都是法国小曲。
“自从发现了这家店,我就经常来。因为能让人心情平静。”
亚矢说道。
“店里全是古典。店主也是古典的。”
小早川笑道。
店主是一位老人,他似乎听到了,微微地笑了。
“把我叫到这里,有什么事情?”
小早川问道。
店内灯光有些暗,唱片播放着达米娅懒洋洋的歌声。
“白天从这个窗户可以看到初岛。”
“初岛在热海的任何一个地方都能看到。”
“不过,从初岛就看到不初岛呀。”
亚矢说道。
“你想说什么?”
小早川苦笑着看着亚矢。
“你看不到你自己。”
“如果看镜子的话,就能看到哦。”
“但是,镜子这个东西,左右看上去是相反的。”
“这倒也是——”
“六年前,你因冤枉的罪名被关进监狱,所以对真正的犯人怀有报复的心理。”
请老师看一下。
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本帖子最后于 2025/2/25 10:10:45 编辑 ]
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