【汤河原】【206】
小早川は、少しあわてた顔になって、
「悪かった。だが、おれは、大丈夫だよ。連中に負ける筈がない」
「でも、湯河原の古木さんだって、K組の松浦という人も、殺されてるわ」
「ああ。連中が、追い詰められてる証拠さ」
「だから——」
「窮鼠猫を噛むか。おれは、むしろ、そうなって、貰いたいんだ」
と、小早川は、いった。
「困った人ね」
「おれが、危ないんなら、おれに近づかない方がいいな。遠くから見ていたら、いい」
「ふふ」
と、亜矢が、笑った。
「何だい? その笑い方は」
「今のあなたより、私の方が安全だわ」
「カメラマンの男の子に守って貰ったらどうなんだ?」
「うちは、小さい出版社だから、カメラマンは、かけ持ち になることが多いの。今日と明日は、彼は、都内の事件の方に、駆り出されて るわ」
「間もなく終るよ」
と、小早川は、急に、真顔になって、いった。
亜矢は、「え?」という眼になって、
「どういうことなの?」
「おれの勘だがね。良くも悪くも、間もなく、結着がつく 」
「よくわからないんだけど?」
「わからなくてもいいさ」
と、小早川は、また笑って、
「今日は、暖かいから、初島を見ながら、夜の海岸を散歩してから、湯河原に帰るよ」
「じゃあ、私も、行くわ」
【译文】
小早川表情变得有些慌张,说道:“不好意思。不过,我没关系的啊。不可能输给那些人的。”
“但是,汤河原的古木先生也好,K组的松浦这样的人也罢,都被杀害了。”
“是啊。这就是那些人已经被逼急的证明。”
“所以呀——”
“你想说狗急跳墙对吧。我反倒是希望这样呢。”
小早川说道。
“真是令人困惑的人啊。”
“既然我是危险的,还是不要接近我比较好啊。远远地看着就好。”
“哼哼。”
亚矢笑道。
“什么情况?你怎么笑了。”
“比起现在的你,我安全多了。”
“让摄影师小子来保护你怎么样?”
“因为我们公司是一个小出版社,所以摄影师往往要身兼数职。今明两天被动员到东京都内发生的事件现场去了。”
“不久就要结束了。”
小早川突然认真地说道。
亚矢用惊讶地眼神说道:“你在说什么?”
“这是我的判断。是好是坏,不久就会作一个了断。”
“我还是不明白。”
“你不明白也无所谓。”
小早川又笑着说道。
“今天天气暖和,我要一边看着初岛一边在夜晚的海岸散步,然后回汤河原。”
“那我也去。”
请老师看一下。
低头做事