高松市内何十万の住民のうちの誰かと、弓岡は会うつもりだったのだ。極めて漠然としているようだが、同時に厳然たる事実でもあった。
浅見は一枚一枚、丹念にページを繰った。戸田職員があきれ顔で眺めている。そして、いつまでもこの暇人に関わりあってはいられない――と言いたげに、黙って、事務所を出て行った。
戸田が消えたことで、精神統一に拍車がかかり、浅見は完全に弓岡の心理になりきった。弓岡もまた、戸田がサルのショータを追いかけて行って、誰もいなくなった事務所で、こうやって電話帳を広げていったのだ。
ふと、浅見の手が止まった。
(?――)と思った。ページのナンバーが飛んでいた。
ページの一枚、破り取られていた。
浅見は周囲を見回した。デスクのどこにも筆記具が見当たらなかった。几帳面な戸田職員は、デスクの引き出しに筆記具をしまい込んでしまう性格なのだろう。
誰もいない事務所である。電話番号を控えるべき筆記具がない。弓岡の手が自然の成り行きのように、ページを破り取ったとしても、不思議はないような気がした。浅見の中の弓岡も、躊躇することなくそうした。
抜けたページは「しあ」で始まるページであるらしかった。直前のページの最後は「シャンテル」であり、直後のページの最初は「鈴木一郎」で始まっていた。
弓冈要见的人就是高松市几十万名居民当中的某一个人。虽然听起来像是大海捞针,但这俨然也是事实。
浅见一页一页地专心翻找着。户田茫然地望了望他,似乎是感觉他这个闲人再待在这里也没什么用了,就安静的走出了办公室。
户田走后,浅见得以更加专注地对弓冈进行移情了。又回到了当初的时候,户田去追猴子胜太之后,这个办公室里再也没有了其他人,弓冈曾经就这样翻着电话簿。
突然,浅见的手停了下来。
浅见心生疑惑——书中的页码不连续了。
中间有一页被人撕掉了。
浅见环顾四周,桌子上什么记笔记的东西也没有。职员户田像是整整齐齐地把记笔记的工具都收拾进了桌子抽屉里了。
办公室里没有别人,又找不到记笔记的东西,弓冈自然而然地就撕下了想要的那一页,这并不奇怪。浅见想象中的弓冈也毫不犹豫地这样做了。
被撕掉的那一页似乎是以“shi'a”开头的。前面那一页的最后一个是“钱德勒”,后面那一页的第一个是“铃木一郎”。
先生の教えをお願い致します。
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本帖子最后于 2025/3/2 15:28:36 编辑 ]
靡不有初,鲜克有终……