事件の内容はやはり地元紙向きで、中央紙に出そうになかった。
新聞記事は、その後の顛末について書いている。遺書らしきものもあって、それによると、自殺した松川という男の自殺の動機は、会社の金を遣い込んで、にっちもさっちも行かなくなった――という単純なものだ。
糸魚川の会社の上司の話も伝えられ、何も死ぬほどのことはなかったのに――と首をかしげているという。
事件そのものは取るに足らない話だが、自殺を止めようとしたばっかりに、とんだ災難に遭った「善意の男」の気の毒さを、同情半分、冷やかし半分とも受け取れるような書き方をしていた。
何回読み直しても、あまり迫力の無い記事ではあった。
「これですかねえ……」
浅見は首を傾げた。島田も自信がなさそうだが、さりとて、他にはこれといって、興味をそそるような記事もなかった。
しかし、いったいこのニュースのどこに、弓岡正を尾道―高松に向かわせた要素があるというのだろう。
「糸魚川ですか……」
浅見はわずかに、松川義雄の住所が新潟県糸魚川市であることに引っ掛かるものを感じた。
といっても、それは、弓岡正の出身地である高岡市が富山県であり、糸魚川市は富山県に隣接する、新潟県最西部の町だ――というだけのことに過ぎないのだが……。
「少なくとも、尾道市の人間が関わっていたという点では、弓岡が尾道へ向かったということの、一つの条件を満たしていることにはなります」
島田は半ば慰めるように、力説した。
「そうですね、とにかく、他にはそういう条件に触れるような記事がないことも事実なのですしね」
浅見は頷いた。
从案件内容来看,果然是当地报纸才会报道的,中央报纸不太可能会报道这种事情。
报道中还提到了之后的调查始末。松川先生留下了遗书,根据遗书所说,他自杀的动机是因为挪用了公司公款,但是事后却无力填补漏洞——就是这么单纯的原因。
报道还提及了那家丝鱼川公司里的松川的上级,他似乎很疑惑,因为这点金额还不至于让人想不开自杀。
事件本身无足挂齿,但是报道的重点集中在劝阻自杀这一细节上。见义勇为的人反而突遭横祸,对于这名可怜的男人,报道的态度看起来像是同情,又像是冷眼旁观。
再怎么看也不过是一件平平无奇的新闻报道。
“这篇报道啊……”
浅见歪头思考。虽然岛田也没什么自信,但是除此之外,再也没有什么能吸引起目光的报道了。
然而,在这则新闻里,究竟有什么细节可能会是促使弓冈正踏上尾道—高松之行的动机呢?
“丝鱼川……”
浅见隐隐约约感觉到案件的线索会和松川义雄的居住地新泻县丝鱼川市有关。
不过,那也就是弓冈正的老家高冈市位于富山县,而丝鱼川市紧邻富山县,是新泻县最西边的一个市——二者的联系仅此而已……
“至少这起案件牵涉到了尾道市的人,也不能排除和弓冈的尾道之行无关。”
岛田强调道,但一半是为了安慰浅见。
“是啊,不管怎么说,除此之外,再也找不到其他有关的新闻报道了啊。”
浅见点头道。
先生の教えをお願い致します。
靡不有初,鲜克有终……