「全文を教えていただけませんか?」
  「全文?……」
  次長はムッとした顔になった。「そんなもん、教えられませんがな。ことはプライバシーに関することですのでね」
  「おおよその内容で結構ですが」
  「そやから、金を遣い込んでしもうて、申し訳ない――そういうことです」
  次長はその線から一歩も譲らない構えだ。
  「申し訳ないので、死ぬ――と書いてあったのですか?」
  「いや、死ぬとは書いてなかったが、まあ、そういうニュアンスです」
  「誰に宛てた遺書なのですか?」
  「そらあんた、会社の上司でしょうな」
  「家族に宛てた遺書はなかったのですか?」
  「直接、家族宛いうのはなかったけどが、まあ、いま言うた遺書も家族を含めた、広く社会に対してのお詫びと解釈することもできるわけでしてね」
  「なるほど……」
  浅見は少し考えてから、きいた。
  「松川さんが海に飛び込んだ時、現場周辺には、畑谷さん以外には誰もいなかったのですか?」
  “请问可以告诉我全文吗?”
  “全文?……”
  副署长有些不悦,“这告诉不了你啊,因为是当事人的隐私。”
  “大概的内容就行。”
  “大概就是——他挪用公司公款却不能按时填上漏洞,因此感到非常抱歉。”
  副署长做出一副坚守原则的样子。
  “因为非常抱歉,所以决定去死——是这样写的吗?”
  “那倒没有,没有写到‘死’,不过总之就是这个意思。”
  “遗书是写给谁的呢?”
  “这个啊,应该是给公司领导吧。”
  “没有写遗书给家里人吗?”
  “没有直接给家人写的遗书,不过我们现在说的这个遗书,就可以向整个社会——当然也包括他的家人——作出解释了吧。”
  “这样啊……”
  浅见思考了一会儿,问道,
  “松川先生坠海时,现场除了畑谷先生之外没有其他人吗?” 
 先生の教えをお願い致します。
靡不有初,鲜克有终……