「ああ、おらんかったようです」
　「そうすると、松川さんが飛び込んだというのは、畑谷さんだけが目撃しているにすぎないのですね」
　「そうですが……」
　次長は、いったい何を言いたいのか――と、警戒する目で浅見をにらんだ。
　「だとすると、実際には畑谷さんが松川さんを突き飛ばしたのだとしても、目撃されていないわけですか」
　「あんたねえ、そんなことを軽々に言うてもろたら困りますがな。場合によると名誉毀損で訴えられますぞ」
　次長は額の真ん中に眉を寄せ、口をゆがめて、苦々しげに言った。
　「いや、これはあくまでも仮説として言ったまでですよ。しかし、具合が悪ければ撤回します」
　浅見はケロッとした顔で言って、頭を下げたが、「しかし、現実にそういうこともあり得るのではありませんか？」と、口のほうは止まらなかった。
　「いや、ありえませんな」
　次長は断言した。

　“啊，应该没有。”
　“这么说，只有畑谷先生目击到了松川先生跳海自杀咯。”
　“嗯……”
　副署长心里想这家伙到底要说什么啊，朝浅见投去了警戒的目光。
　“那就是说，哪怕是畑谷先生把松川先生推下悬崖，也没有目击证人能够作证吧？”
　“你要是说话这么轻率的话，我们很难办啊。说不定是会被起诉损毁他人名誉的。”
　副署长皱起了眉头，歪起嘴角做出了为难的表情。
　“我说的也只是假设罢了，不过，要是让您为难的话，我收回我的话。”
　浅见平静的说完，低下了头，但是嘴上却没有要停的意思，“不过，客观上这种情况也是有可能存在的吧。”
　“不，不可能。”
　副署长断言道。


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不必修改。