だいたい、自分の家を建てるなどという、壮大な発想からして、浅見にはまるで縁遠い話なのだ。 
  ばあさんの話し好きをいいことに、浅見は松川家の内情をかなり聞き込んだ。 
  松川義雄には妻と、小学校六年になる息子がいるそうだ。勤め先は自宅から歩いて十分ばかりの、糸魚川駅に近いところにある食料品卸小売の店だという。 
  松川夫人は近くのスーパーマーケットでパートとして働いている。朝は9時から夕方の4時まで、息子が学校から帰る間際まで働いて、夫婦力を合わせて、マイホーム建設に邁進していたというわけだ。 
  松川夫人が帰ってくるという午後4時までは少し間があった。浅見はいったん引き揚げて、松川が勤めていたという食料品店を訪ねてみた。 
  駅から歩いて3、4分、4階建てのビルの1階に店舗があり、2階フロアの半分ほどを事務所にしている、かなり大きな店だった。1階の売り場の女性に聞くと、 2階の事務所スペースにある応接室に案内してくれた。 
  応対に出たのは「専務取締役」の肩書のある、江尻という50がらみの男だ。浅見は時と場合によって使っている、G出版社の肩書のある名刺を出した。 
  「実は、広島の方で松川さんの事件のことを知りまして、お気の毒な話だと思ったものです」 
  浅見は頭を下げて、哀悼の意を表した。 
  「こういう静かな土地で、ごく平凡な生活をしていた松川さんが、なぜ自殺に追い込まれなければならなかったのか――つまり、それは我々としても決して他人事ではないわけでして、まあ、言ってみれば、現代人の意外なモロさとでも言いましょうか、そういったことについて、いわば問題提起のような形で書いてみようと考えたわけです」 
  盖个自己的房子--这种宏大的愿景,对浅见来说实在是天方夜谭。
  浅见顺着老太太的话头,打听到了不少松川家的情况。
  松川义雄家是一个三口之家,家里有妻子和一个上小学六年级的儿子。听老太太说他是在丝鱼川站附近的一个食品店里上班,离自己家步行只需要10分钟。
  他的妻子在附近的一个超市里打零工,从上午9点干到下午4点,一直干到儿子从学校放学。两口子齐心协力,目标就是盖一个属于自己的小家。 
  离松川的妻子下班还有一段时间。浅见打算先离开,去松川上班的食品店看一看。
  走出车站大概3、4分钟,就能看到松川上班的公司。公司是一个4层建筑,一层是店面,办公室在二层,占了二层的一半,面积不小。浅见问了在一层卖东西的妇女,被指引到了二楼的接待室。 
  接待浅见的是一个50岁左右、名叫江尻的男人,西装上写的职位是执行董事。浅见随机应变,把G出版社的名片递给了他。
  “其实我在广岛就听说过松川先生的事情,真是可怜啊。”
  浅见低头以表哀悼之情,
  “在这片平静的土地上过着平凡生活的松川先生,怎么就被逼得非死不可了呢?我们当然也不可能置身事外,--怎么说呢,该说是现代人的脆弱性吗?--我想就这个问题来写一写,引起大家对这个问题的的关注。”
 先生には、ご指導のほどよろしくお願いします。
靡不有初,鲜克有终……