今度の事件だってそうだ。夜中に鐘がゴーンとなって、その鐘に顔面をぶつけられて殺されたらしい被害者が、隅田川の上流から出て――という、おかしなな事件の発端に出くわしたからこそ、東奔西走して、事件の謎を追いかける気になったのである。
  こんな面白い事件を目の前にして、じっと傍観しているくらいなら、すきっ腹を抱えながら、ステーキを食うやつを眺めているほうが、よっぽどました。おまけに、このテーブルには伊勢海老のコキールがあって、フォアグラをたっぷり塗りたくったカナッペまで並んでいるのだ。
  (好奇心だって、いいじゃないか――)
  浅見は開き直ってそう思った。
  車に戻り、吸い終わったタバコを灰皿でひねりつぶすと、浅見はエンジンキイを回した。
  回したものの、このまま引き揚げるわけにはいかなかった。肝心の松川夫人からは、まだ何も聞いてないのだ。
  冷静になって考えてみると、あの鼻っ柱の強い妹を怒らせたのはまずかったが、かといって、今更彼女に、謝る気にはなれっこない。
  浅見はナイーブな性格のくせに、妙に強情の部分があって、相手が強硬だとこっちにも負けない気になる。逆に優しくされると、猫のように喉を鳴らしかねない。
  这次就是这样。寺里的钟突然在半夜响了起来,然后就在隅田川的上游发现了撞钟而死的受害人的尸体——正因为碰到了如此离奇的案件,浅见才来了兴趣,才东奔西走想要查出案件的真相。
  与其对这起有趣的案件穷思苦想,还不如抱着空腹,看着远处吃牛排的家伙望梅止渴。况且他的桌子上还摆着很多用贝壳烤的伊势虾,还有涂满鹅肝的开胃点心。
  (出于好奇心,是对当事人的不尊重吗……)
  浅见转念一想。
  他回到了车里,在烟灰缸里把烟屁股捻灭,转动钥匙发动了汽车。
  虽然发动了汽车,但他并没有就此离开。毕竟最重要的松川夫人那里,还什么都没有问。
  虽然冷静的想一想,惹恼那个自尊心很强的松川妹妹并不是一件好事,但是浅见现在还不想道歉。
  浅见拙朴的性格里有着倔强的成分,要是对方态度不好的话,自己也是寸步不让。反之,要是对方客客气气的,浅见也会配合得像一只温顺的猫。
 先生にはご指導をお願いします。
靡不有初,鲜克有终……