浅見に限らず、人間なんてそんなものがもしれない。売り言葉に買い言葉というのは、まさに言い得て妙だ。
もっとも、その一方で、浅見はさっきの女性に興味は感じていた。もちろん、美人であることも興味を惹かれる条件だが、何よりも頭がよさそうなのが良かった。
頭がいいということは、女性の魅力のかなりのウエートを占めている。「女賢(さか)しゅうして……」とか「めんどりトキを告げて……」などということわざは、馬鹿な男どもの言い訳めいた愚痴でしかない。
同じ暇つぶしをするにしても、朝から晩までパチンコにとち狂い、子供が誘拐されたのも知らずにいるような女なんかより、推理小説を読む女性の方が、はるかに理知的で美しいのは当然の話なのである。
とはいうものの、あんなふうにドアをピシャリとやられたのには、浅見といえども頭に来た。
よっぽど、このまま立ち去ろうかとも考えたが、そこのところをじっと我慢して、浅見はエンジンを切った。
それから間もなく、バックミラーの中に、俯き加減に歩いてくる女性が映った。ほとんど黒に近いグリーンの、襟のないスーツ。ブラウスは、対照的に純白だった。
勤めの帰りなのだろうか、手にバッグと、スーパーの紙製の手提げ袋に何か詰めたのをぶら下げて、コツコツと靴音を響かせながらやってきた。
憂いを含んだ様子から、その女性が多分松川未亡人だろうと思ったとおり、彼女は松川家のドアに近づいた。
浅見は車を飛び出して、「あの、失礼ですが」と声をかけた。
「松川さんの奥さんですね?」
「はあ……」と、夫人はびくっとしたように振り返って、頷いた。
「実は……」
浅見が名刺を出しかけたとき、ドアが開いて、松川の妹が顔を出した。
「義姉(ねえ)さん、ダメよ、その人と話しちゃ」
いきなり叫んだ。
「どうしたの、エミちゃん」
未亡人はびっくりして、義妹と浅見の顔を交互に見た。
松川の妹は義姉を手招きして、言った。
「その人、兄さんのことを面白半分の記事にするつもりなんだから」
「そんなことはしませんよ」
浅見は憤然として抗議した。
恐怕不只是浅见,所有人都是这样。毕竟恶语伤人心,沟通的时候一唱一和才让人心里舒服。
不过浅见倒是对刚才的那个女人产生了兴趣。当然不可否认是因为她很漂亮,但更多的是她给人一种很聪明的感觉。
在女性魅力里面,聪慧也占很大一部分。“妇人之见”或者是“牝鸡司晨”之类的谚语,不过是自作聪明的男人们在发牢骚罢了。
同样是消磨时间,相比于那些从早到晚沉迷在柏青哥里、连小孩被拐走都不知道的女人来说,阅读推理小说的女人无疑更有知性美。(注,柏青哥,一种赌博性质的游戏机)
虽说如此,像那样吃了一记闭门羹,浅见还是很恼火。
虽然也想过要不然就这样离开吧,但是浅见最终还是忍住了心中的不忿,给汽车熄了火。
没过多久,浅见就在后视镜里注意到了一个女人正在低着头走过来。她穿着深绿色的无领西服,搭配纯白色的衬衫。
她手里拎着包,还有超市的纸质包装袋,看起来像是在下班途中。不一会儿,咯噔咯噔的走路声就越来越近。
浅见从她忧郁的样子猜想她多半是就是松川的遗孀。也正如他所想,女人走向了松川家的大门。
浅见跳下车来,上前搭话,
“不好意思,您就是松川先生的妻子吧?”
“没错……”,——松川夫人吃了一惊,转身点头道。
“我是……”
就在浅见把名片递出去的时候,门被松川的妹妹打开了。
“嫂子,别理他。”
她叫喊道。
“这是怎么回事啊,惠美。”
女人很惊讶,眼神在小姑子和浅见之间徘徊。
松川的妹妹招手让嫂子过来,说道,
“这人是看热闹来的,想把我哥的事写成新闻。”
“我没有这个意思啊。”
浅见愤愤不平道。
先生にはご指導をおねがい。
靡不有初,鲜克有终……