「主任に、知らないのはモグリだって言われました」
「升波警部は、兄に気を使っているんじゃありませんか」
「自分もそうだと思います。だいたい、明智小五郎だとか金田一耕助みたいなのは、小説としては面白いかもしれないですが、現実には警察の組織力を上回るようなことができるはずがないのです」
「はあ、そうかもしれません」
浅見には、あえて逆らう気はない。
「いや、絶対にそうなのです」
田原は断固として主張した。
「だから、今度だって、浅見さんが行くのは無駄だと思うのです」
田原の言い方には、警視庁の部長刑事である――という自意識が多分にうかがえた。素人探偵にうろちょろされるのは、快しとしない態度を露骨に示している。
「はあ、無駄ですか」
浅見は腹が立つよりおかしくて仕方がなかった。
「そうです無駄です……いや、浅見さんがお気の毒だから言うのです。骨折り損のくたびれ儲けになるだけです」
「ははは、なるほど、無駄だとすると、そうなりますよね。しかし、僕が警察の先を越す可能性だって、なきにしもあらずだと思うのですけどねえ」
“主任说过,不知道您的人就是井底之蛙了。”
“升波警部也是碍于我哥哥的面子吧?”
“他自己也是这么认为的。像是明智小五郎、金田一耕助那样的侦探小说可能很有趣,但是现实中,在组织力方面,业余侦探基本上是不可能胜警察一筹的。”
“啊,可能是这样吧。”
浅见不置可否。
“不,一定是这样的。”
田原再一次声明了自己的主张。
“所以说我觉得这次让您去调查是多此一举。”
听田原的口气,可以看出他大概是自诩为警视厅的一名专业刑警。对眼前“跳梁小丑”般的素人侦探,露骨地表示出了自己的不悦。
“是吗,多此一举吗?”
浅见不觉得生气,倒觉得非常可笑。
“是的,多此一举……不,我是说给您带来了麻烦。这样不过是徒劳无功罢了。”
“哈哈哈,这样啊,要说是多此一举还真有点儿。但是,我也有超过警察的地方,也不能说是毫无用处。”
老师最近可能比较忙吧,我先放上来,老师什么时候方便就改改。
靡不有初,鲜克有终……