「こりゃ、たぶん別人だろうなあ」
刑事課長はいちはやく結論づけるように言った。
それでも、鑑識は血痕を採取することだけはちゃんとやった。ほかに遺留品があるかないか、足跡などはどうか――といったところまでは手を付けようとはしなかった。
「もしもですよ、被害者がこの鐘に顔面をぶつけたとしてですよ」
浅見は小堀の後ろから、悪魔がささやくような声で言った。
「それが死因だったとしたら、相当な勢いでぶつかったと考えていいでしょうねえ」
「ん?ああ、まあそうでしょうなあ」
「だとすると、顔面にこの撞き座の紋様が残っていませんかね?」
「紋様が?……」
小堀刑事課長はあらためて、浅見の指差すところを見た。
「ふーん、ここを撞き座というのですか。こういう知識はまったくないもんでね」
小堀は浅見の言ったことよりも、そのことに興味がある――とでもいうよりに、しげしげと撞き座を眺めた。
つき座には様々な紋様が施されるが、八弁の蓮の花が一般的で、そのバリエーションが多い。聖林寺の鐘の撞き座も八弁の蓮の紋様だが、花弁の彫りこみが二重になっているのが、ほかと違っている点だ。もっとも、それがはたしてポピュラーなものかどうか、この時点では浅見はもちろん、誰も知らなかったことだし、ほとんど関心を抱かなかったのである。
“大概是另一个人留下的吧。”
刑侦科长想尽早下结论。
虽说如此,法医还是仔细地收集了血液样本。不过也仅限于此,他们并没有进一步去调查现场有没有遗留物品或者是脚印。
“万一受害人是站在这儿被钟撞上了呢?”
浅见在小堀身后说道,在小堀听来语气像是恶魔的低语。
“如果死因当真如此,那得需要相当大的力道吧?”
“嗯?啊,可能是吧。”
“也就是说,受害人脸上会不会留下这个撞座的花纹?”
“花纹?……”
刑侦科长小堀转而向浅见手指之处看去。
“额,撞座就是这个东西吗?我完全没有这方面的知识啊。”
与其说小堀对浅见说的话感兴趣,不如说他是对撞座感兴趣——因为他几次三番地看向撞座。
撞座上的花纹各种各样的都有,但一般是八瓣莲花形的变种。圣林寺的这个撞座也是八瓣莲花形,不一样的一点是,它的花瓣是双层的。不过,除了浅见,在场的人谁也不知道这种花纹是不是常见的那种,因此都对此不感兴趣。
先生の教えをお願い致します。
靡不有初,鲜克有终……