住職は慌てて威厳を取り繕って、言った。
「私としてもあまりいい気分ではなかったので、すぐに拭き取りましてな。鐘楼の上は水で洗い流し、お経を上げて参ったのだが、よくよく考えてみますと、あれだけの血が流れたとすると、ちょっとどころでない怪我をしているのではないかと思いましてな」
「そうですわねえ、怪我ですめばいいのですけれど」
「さようですなあ。しかも、怪我をした人間はその場にいないということは、これはつまり、何者かが連れ去ったのではないか。ひょっとすると、犯罪が行われたのではないかと考えられるわけでしてな」
「そうですわ。犯罪ですわ、きっと。警察にはお届けになりませんでしたの?」
「で相談と申すのはそのことなのです」
住職はかたちを改め、合掌をして、軽く会釈をした。これでお経を読まれると、観音様の気分になれそうだ。
「何をおいても警察に届ければよかったのでしょうが、わたしとしたことが、修行の浅さを露呈しまして、届けるどころか、いまの申したとおり、大あわてにあわてて血をきれいに拭ってしまったようなしだいです。いまさら警察に行くわけにもいかず、これはひとつ、ご子息にお願いして……」
住職はしきりに両掌をこすり合わせた。
住持想要修复自己威严的形象,慌忙说道。
“我觉得不怎么吉利,就马上把血擦掉了。又把钟楼地面用水冲洗了一遍,然后念经驱邪。事后仔细想了想,只有那一块地方有血,会不会是有人受了小伤留下的?”
“是啊,但愿伤势痊愈。”
“确是如此啊。但是受伤的人并没有在现场,就是说,会不会是有人把他带走了?所以就觉得这难不成是犯罪现场吧。”
“是啊,肯定是犯罪。您没有报案吗?”
“我正是为此来找您商议。”
住持改变姿势,双手合十,轻轻的作了个礼。要是这个时候念经的话,还真活像观音菩萨。
“不管现场留下什么,都应该去报案才对吧。但是我的所作所为暴露了我修行的浅薄,就像我刚说的,不但没有去报案,还因为太过慌张把血迹擦得干干净净。事到如今也不能去找警察了,所以这件事就想拜托您儿子……”
住持不断地搓着两个手掌。
先生の教えをお願い致します。
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本帖子最后于 2024/12/17 12:48:44 编辑 ]
靡不有初,鲜克有终……